トップ早霧せいなが誕生し、5年越しで「ルパン三世」の舞台化が決まった。

 早霧

 ルパンは、一流の泥棒なのに女に弱く、ちょっと残念。ギャップがすてきだと思いますが、狙ってやってるんじゃないかって。ただ、主演という立場で、どこまで三(枚目)の線を入れるか悩みます。

 涼しげな美形だが、2番手時代からコミカルな演技に定評がある。ギャップは早霧も同じだ。

 早霧

 確実にがに股ですよ。セリフも「○○だよ~」とか、語尾も印象的に。でも、立っている姿はしゃんとして、宝塚の男役らしく。そこは失いたくない。

 設定は、ルパン三世が次元大介、石川五ェ門、峰不二子らとともに、仏革命の時代にタイムスリップ。マリー・アントワネットの首飾りを盗むストーリー。

 早霧

 張り巡らされたバリアーを抜けていく盗みの場面は毎回、アドリブ。次元、五ェ門、不二子ちゃんに、私のマネをしてもらう。ネタは20ほど、台本に書き込んでいます。

 アニメ、映像と違い、舞台ではカーチェイスも、ヘリコプターでの盗み場面もない。その分、ルパンの軽妙さは早霧が表現する。

 早霧

 テレビが大好きで、バラエティーもよく見るので、ヒントはあります。今回のルパンって、本当は(現代に戻れない)危機感があるのに、次元らに絶対に見せない。私自身、そこは影響されますね。

 役作りに没頭する姿勢は、トップになっても変えない。悩む姿もさらけ出す。

 早霧

 小栗さんの映画も見ました。小栗さんはルパンが好きだったらしく、ルパンへの愛の深さは負けていたかも。でも演じるにあたり、ルパンを尊敬して、愛して、理解して初日を迎えたい。小栗さんには負けない。覚悟はあります。

 軽い演技で魅せても芯は強く、ぶれない“早霧ルパン”に、原作のモンキー・パンチ氏も「期待しています」と話している。【村上久美子】

 ◆ミュージカル「ルパン三世

 -王妃の首飾りを追え!-」(原作=モンキー・パンチ、脚本・演出=小柳奈穂子)

 ▼兵庫・宝塚大劇場=来年1月1日~2月2日

 ▼東京宝塚劇場=2月20日~3月22日

 ◆早霧(さぎり)せいな

 9月18日、長崎県佐世保市生まれ。01年「ベルサイユのばら2001」で初舞台。宙組配属。09年に雪組へ組替え。今年9月、前トップ壮一帆の後任として雪組トップに就き、相手役に咲妃みゆを迎えた。168センチ。血液型AB。愛称「ちぎ」。