公開中の阿部寛(47)の主演映画「テルマエ・ロマエ」(武内英樹監督)が、年内にイタリア公開されることが13日、発表された。ヒット記念舞台あいさつが13日都内で行われ、阿部や共演の上戸彩(26)が出席した。作品は、古代ローマ人の浴場設計士が現代日本の銭湯にタイムスリップする奇想天外な物語。ローマ人を演じた阿部は、イタリア公開決定について「びっくりしました。2月に(試写会で)ローマで上映した時、すごく反応が良かった。イタリアで(配給会社が同映画を)買ってくれないかなと話していたら実現した」と喜んだ。

 アジア映画公開の実績がある「タッカーフィルム」が配給を手掛ける。同国ウディネ・ファーイースト映画祭のネット人気投票で「マイムービーズ賞」を受賞したことがきっかけになったという。

 上映は、ローマを中心に50館以上になる見込み。08年「おくりびと」の40館を上回り、実写映画で過去最大の規模。上戸は「イタリア中に広がる。信じられない」と感激していた。

 この日は「母の日」。阿部は「濃い顔に生んでくださいまして古代ローマ人までやってしまいました。本当にありがとうございました。今後とも天国で見ていてください」と亡き母への感謝の言葉を口にした。

 日本国内では大ヒット中だ。10日時点で興行収入25億円、観客動員数200万人を記録。配給の東宝は、興収40億円突破も視野に入れている。【村上幸将】