<フィッシング・ルポ>

 「2011日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ブラックバス部門の予選会が神奈川・芦ノ湖で7月3日に行われる。標高723メートルの同湖では、突然の雨や霧などで天候パターンを意識しすぎると、大きく失敗してしまう。日刊釣りペン・クラブのバスマン築山滋会員(46)が荒天の中、40センチ超5匹をそろえた実釣&攻略リポートをお届けする。

 試釣をした当日、関東地方は雲が多かったものの、晴れ間が見えていた。ところが標高723メートルの芦ノ湖に到着すると、白い霧で5メートル先も見えない状態だった。空に浮かぶ雲の中で釣行するようなものだった。

 通常、雨や曇天では気圧が低くなるため、魚の活性は高くなる。ただ、今回は太陽が見えなかったものの、同時に気圧が低くなったわけではない。雲の中にいるだけで、その上空に広がる高気圧の支配下にある状態は変わらない。そこを注意しないと釣れるバスも釣れなくなってしまう。

 周囲の景色が霧で隠されたため、現在位置を即時に知ることのできるGPS機能のついた魚群探知機(魚探)を使った。いつ天候が崩れるか分からない。芦ノ湖の釣りでは必要なアイテムともいえる。

 位置確認はできたが、風はグルグル回っていた。飛行機で雲に突入すると乱気流にのまれてしまうが、その状態に似ていると思ってほしい。風の吹いてくる方向が定まらず、ピタリと突然無風にもなるのでやっかいだ。岸際の風裏になるポイントを探しながら、キャストする工夫が必要だろう。

 結果から報告すると、午前6時から正午までに40~45センチを5匹釣った。共通するのは、岬周辺で水深3~8メートルのポイント。産卵を終えたバスを狙う。(1)水通しがよくて(2)産卵場所となるシャロー(浅場)から深場に通じるカケアガリがある地形-この2点は頭に入れておきたい。

 有効な攻略法としてラバージグのフォール(落とし込み)とスイミング。

 フォールでは、シャローの岩場周辺を狙う。徐々に深くなっていくカケアガリで、底に触れる直前ではじくように動かす。フワッ、と漂うラバージグに反応するはずだ。

 スイミングでは、青々として背の高いウィード(水草類)の群生する際にキャストしたい。際の上部をなめるように動かす。同じ速度で巻いてくるのではなく、早巻きしたり、ポーズ(静止)を入れるなどしてバスの注意を引いてほしい。

 最大45センチはラバージグで仕留めた。だが、まったく逆の発想で、トップ(表層)をミノーやビッグベイトなどでゆっくりと引いてくるのも有効。今回は1匹、これでゲットできた。竹グイや桟橋などの目に見えるストラクチャー(障害物)付近で試してもらいたい。

 芦ノ湖のバスは釣りづらいと評判だ。それは突然くるバイト(魚のアタリ)に対応できないから。水中でどのようにルアーが動いているか、常にイメージして、どんな状況でも合わせられるように準備しておけばいい。予選は芦ノ湖を含めて、残り3戦。ビッグウエートを期待している。