<船FISHING>

 和歌山湯浅湾でタチウオの数釣りシーズンが到来。ゴンゴンとサオを絞り込む強い締め込みを堪能しようと25日、同所の「なぎ丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で同湾内へ半夜釣りに出た。波が穏やかな好条件でアタリが連発、2連交じりの活発な食いを楽しみ午後10時半までに70~90センチを35匹ゲット。サオ頭は和歌山市の日置義信さん夫妻で70~95センチを85匹。大半の人が40匹前後釣りあげる好釣果に恵まれ、群れの大きさを実感する釣行だった。

 船から狙うタチウオはアタリは小さいが引きは強烈。掛けた瞬間にゴンゴンと締め込む乱暴な引きがたまらない。釣り方のコツは変化する食いダナを小まめに探ること。午後5時すぎ、湯浅湾内の水深40メートル前後のポイントにアンカーが打ち込まれた。「オモリが底に着いたら2メートルほど仕掛けを上げてから探って」という西本船長の合図で一斉にスタート。

 左舷中央に入りサバの切り身をチョン掛けにして仕掛けを投入。海は穏やかでアタリがとりやすいが潮の動きは鈍い。それでもタチウオの群れが大きいのか、すぐにコツコツとサオ先に前アタリ。あわてず食い込みを待ち、サオ先をギュイーンと押さえ込んだところで合わすとサオが絞り込まれる強烈な手応え。

 船長から「糸を緩めたらハリが外れるよ」と言われ強引に引き上げると75センチ級のタチウオがダブルヒット。後方でも好調に同型が掛かりだしシルバーに輝く魚体が次々に宙に舞う。夕方の時合を迎え早くも入れ食いモード。約1時間で70~85センチを12匹取り込んだ。

 だが、辺りが暗くなると食いが渋くなる。小さな前アタリだけでエサが取られてしまうが、同6時半ごろから船に明かりが灯されると食いが好転。常連の人たちが本領を発揮。サオを上下にゆっくり動かす誘いを入れながら、底から15メートルほど上まで仕掛けをゆっくりと引き上げ、小さなアタリを見逃さない見事な合わせで数を伸ばしていく。

 日が落ちると、大きなアタリは出ないようで誘った後に出る小アタリを掛け合わせているようだ。私も負けじとジギングのような派手なしゃくりで誘いをかけ、ゆっくり落し込んで食いを誘っていくと、この日一番の手応えで90センチの良型がヒット。そして再び入れ掛かり。強弱をつけたいろんな誘いで食いを引き出し、サオ先に出る小アタリを的確にキャッチ。70~90センチを35匹釣りあげた同10時半ごろに沖を後にした。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【今後の見通し】水温が徐々に低下してくるとさらに食いが活発になるだろう。10月に入ればメーター級も交じりだし数、型ともに期待できる。例年、11月初旬まで数釣りが楽しめる。

 【問い合わせ】なぎ丸

 電話=0737・62・3890。乗船料9000円(エサ、氷、仕掛け付)、出船は午後4時、納竿は同10時ごろ。

 【交通】電車はJR紀勢本線の湯浅駅下車。海岸方向へ徒歩約15分。車は阪和自動車道有田ICを出て国道42号に入り南下、湯浅の交差点を右折。約3分で湯浅港。