<11年年間大賞第2弾・磯&釣具店ブロック>

 2011年間大賞第2弾は、磯&釣具店ブロックだ!

 日刊スポーツ新聞社指定・共栄会に所属する釣り宿と釣具店で、価値ある釣果を収めたアングラーに贈られる。9地区のうち静岡・雲見では50・3センチ(2キロ超)のメジナがキャッチされていた。メジナ

 全長50・3センチ富田幸義さん(50)◆雲見「佐市丸」1月17日

 荒れた日だった。富田さんは内心、「やった、いけそうだ」と感じていた。釣り人が少なく、魚も余計なプレッシャーを感じないと予測した。すずめ島に入ると、大物の出そうな雰囲気がビンビン伝わってきた。

 ところが何も反応がない。外道もエサ取りも何もなく不安になってきた。時計を見ると午前10時になりそうだった。「これは夕方まで何もないかな」と落胆しそうになった時だった。何の前触れもなくゆっくりとサオ先が引き込まれた。強烈なアタリに慌てたものの、落ち着いて一拍待ってから合わせた。がっちりハリ掛かりしたのが分かった。足元に根があるため、目いっぱい手を伸ばしてタモ網に入れようとした。

 「このタモが深さが48センチほどで、魚を見るとデカい。一瞬、すくえずにはみ出ると思った」と富田さんは振り返った。約5分ほどの格闘を制してなんとかキャッチ。仕掛けを作り直しながら「顔がニヤついているのがはっきり分かった」。実はこの直後に46センチ(1・8キロ)も釣っていて、思わぬラッキーデーとなった。

 釣り歴は17年。堤防釣りから入り、友人に誘われて三浦半島の磯場でクロダイを狙っていた。10年ほど前に西伊豆のメジナに目覚めて現在に至る。今までの最大が昨年釣った48センチだった。「来年は1センチでもいいからもっと大きいメジナを釣りたいですねぇ」。富田さんは、さらなる自己記録更新を思い描いていた。

 ◆現認者=雲見「佐市丸」鈴木佐利店主(72)

 富田さんは真面目だね。1カ月に3~4回は来てくれる。あんまりしゃべるタイプじゃないけど、研究熱心で自分の釣り方を持っているね。それと頑固だねぇ。自分で釣れると決めたら、ポイントをコロコロ変えたりしない。それと食べる分だけの魚を持って、あとは海に戻している。富田さんは人にも海にも優しいのよ。