<投げFISHING>

 真冬でもキスの引き釣りができる徳島県南部の宍喰海岸へ先日、連掛けを楽しもうと釣行した。北西の風が強かったが海はベタなぎ。午前10時半ごろから通称うどん屋下へ入りデッドスローでサビくと1投目から小型が5連で掛かる好感触。風が徐々に舞いだしアタリがとりづらくなるが、シモリ周りをタイトに攻めると連掛けが続き午後2時までに12~18センチを30匹。その後も日和佐大浜を探り深場攻めで11~13センチを18匹追加。合計48匹でキスの魚信を十分楽しんだ。

 徳島県南部の海岸は黒潮の影響を受けやすいのか、冬場でも水温が他所に比べて高く周年を通してキスの顔が見られる。この時期は季節風に強く、波が穏やかで底にシモリや起伏があるポイントが狙い。午前10時半ごろから宍喰海岸北側の通称うどん屋下に入った。

 ここは適度な水深がありシモリ交じりの砂地が広がる越冬ギスの好ポイント。陸からの強い北西の風が吹いているが海は穏やか。時折風が舞って糸がふけそうだがまずまずの条件だ。動きが鈍い冬ギスは砂ずりを長くし枝間の広い仕掛けでフカセ気味に食いを誘う。

 狙いは4~5色沖にある大きな沈み根。6本バリに石ゴカイをハリ先いっぱいに刺し、根の左側へ投入。時計の秒針の速さよりも遅いデッドスローでサビくと4色半でコツッとした小アタリをキャッチ。仕掛けを止め追い食いを待ってから引きあげると12センチ級のキスがいきなり5連で掛かる。

 キスは沈み根周りの砂地に小さな群れを作っている感じだ。満潮が近づき潮の流れが止まりかけると食いがさらに良くなり同型が3~4連で続き、2本のハリを口にして上がってくるキスもいるほど。今度は沈み根の正面をタイトに狙うとコンコンとした明快なアタリで18センチの良型がヒット。

 この分だとかなり釣れそうだと期待するが、その後は風が強まり糸ふけでアタリが感じにくくなる。それでもシモリの左側と正面を丹念に攻め分けると反応があり、13センチ前後を単発~4連で釣り続け午後2時までに12~18センチを30匹ゲット。

 その後はどん深の日和佐大浜へ移動し、漁港寄りにある波が静かな立島の島影にたまるキスを狙う。5色ほど遠投しデッドスローでサビくとポツリポツリながら掛かり、同5時までに11~13センチを18匹追加し納竿。風がもう少し弱ければ60匹はいけそうな感じだった。【日刊FPC・野間弘】

 【今後の見通し】厳寒期の2~3月は釣果が落ちるが宍喰漁港内、同漁港先端、うどん屋下を探り歩けば半日で14~15センチが30~40匹ほど期待できる。穏やかな日が続いたときが狙い目。4~6色を重点的に攻めると良いだろう。

 【交通】大阪から神戸淡路鳴門自動車道を利用。鳴門ICを出て国道11号、同55号を南下。海陽町に入り宍喰海岸へ。