<釣りステーション>

 東京湾のLT(ライトタックル)アジがアツい!

 軽量&細仕掛けで狙うアジ釣りのことでハリ掛かりすれば、ひとアジ(味)違う引きが楽しめる半面、ここ数年、釣り方などにより当たり外れが大きい傾向もある。その釣り方を、横浜・金沢八景「太田屋」で行われたLTアジの釣り教室のルポで紹介しよう。

 LTアジ釣り教室は、初心者も含め計9人が参加、乗合船(半日便)に同乗しミヨシ(船首)側に陣取って行われた。講師は、この釣りに精通する加藤雄二さん(57=日刊釣りペン・クラブ会員)で、1人1人回ってアドバイスする。釣り場は金沢八景沖で、池田芳之船長(57)の「水深○○メートル」のアナウンスで釣りを開始すると、いきなり教室組がヒットを連発した。

 左舷ミヨシの加藤貴則さん(28=東京都大田区)が船中第1号で25センチ余りを取り込み、隣の永井郁子さん(47=大田区)が同サイズをゲット。反対側の右舷ミヨシで今井政仁さん(34=東京都板橋区)と隣に並ぶ高橋良宗さん(59=埼玉県新座市)桜井直隆さん(57=横浜市)もヒット。永井さんの隣にいた佐藤朋子さん(34=大田区)と清水智晴さん(39=東京都あきる野市)もアジを躍らせ、小柴宇雄さん(45=東京都日野市)と息子の拓実君(11=小6)もキャッチして早々とゼロなし、の幸先いいスタートだ。

 ところが、途中からサバが飛びつき、オマツリのラッシュに-。時折、カサゴもぶら下がるが、アジは沈黙…。加藤さんによれば、今のアジは群れの規模が小さく(5~10匹程度)数少ないチャンス(食いが立った時)をモノにできるかどうかが鍵になるという。これを外すとゼロのまま終わることもあるからアツい。

 ◆じっくり構えて釣る

 コマセはイワシのミンチ。仕掛けが底着後、底から2メートル上でコマセを大きく振りだし、続けて1メートル上げて軽く振ってタナに合わせる。アジ釣りはコマセを利かせるのがキモだが、かといって、コマセの入れ替えも含め、まめにやるとチャンス時に仕掛けを上げてしまっていることも-。周りでアジが釣れたら、むしろ、置きザオでアタリを待つ方がいい。コマセは振りだしで煙幕状に広がり、置きザオでパラパラ出る。最初の振りだしでヒットしたら、そのまま待って追い食いを狙い、時間が経過して食いついた場合は1匹でも取り込んだ方が数は稼げる。

 ◆魚でタナを見つける

 仮に底上3メートルのタナで2~3本バリ仕掛けの上にアジが掛かったら、次は少しタナを上げ、下なら逆に下げてみる。サバはアジより上で飛びつくことが多く、カサゴなど根魚は底近くで、それぞれタナを移しながら〈当たりダナ〉を探る。

 釣り教室は、午前11時過ぎに納竿(のうかん)。トップは今井さんと高橋さんが7匹で、4匹だった加藤さんは「アジ釣りの〈奥の深さ〉を知った」と話す。この時季のアジは旬で、脂ものって〈食べごろ〉〈釣りごろ〉の絶好のシーズンだ。【長瀬川忠信】

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。LTアジの乗合は午前7時30分出船(午前便)と午後0時30分出船(午後便)の2便あり、各餌&氷付き6000円、両便通しで利用の場合は9000円。タチウオはルアーフィッシング主流で午前7時20分出船で氷付き8500円。毎週木曜日定休。HP〈http://www.otaya.net/〉

 ▼交通

 電車は京浜急行線・金沢八景駅下車、送迎バスあり。マイカー利用は(東京側から)国道16号を横須賀方面に走り、瀬戸神社交差点を左折、野島橋を渡って、右に「太田屋」がある。詳細は要確認。