<渓流FISHING>

 清流にアマゴが跳ねる季節がやってきた。桜の開花よりも一足早く、春を知らせる渓流釣りが、3月1日から西日本の主要河川で順次、解禁される。今年は雪が少なく、盛期を迎えるのが早まりそう。日本海側は大雪がなく、紀伊半島では適度な降水に恵まれ、解禁に向けて水況が良好の見込み。全体的に成育も良いという河川が多く、初期からサビの少ない美形が期待できそうだ。以下に各地から届いた情報を紹介しよう。

 【岐阜県】長良川本流の解禁当初は成魚狙いがお勧め。天然アマゴの活性が上がるのは5月からでエサはクロカワ虫が良い。支流の吉田川は実績が高く、初期からコンディションの良い天然、準天然ものがヒラタで釣れる。馬瀬川、益田川も解禁当初は成魚狙い。上流の天然ものは魚影が濃く5月以降が本番。増水後に荒食いが期待できる。

 【福井県】2月1日解禁の九頭竜川はサクラマスのフレッシュランが順調だ。今年は体高がある見事な魚が多いのが特長。例年よりも雪が少なく釣りやすい。お勧めポイントは下流の高屋橋上下流。3~4月に盛期を迎え、5月31日まで楽しめる。各支流のヤマメ、アマゴも順調。若狭河川の南川は雪が少なく上流部の野鹿の滝へも入渓が可能。小ぶりだか、サビの少ないきれいなヤマメが20匹程度釣れている。北川支流・松永川も同様の釣果が出ている。

 【京都府】上桂川、美山川ともに解禁時は成魚狙いになる。稚魚放流も十分に行われているので本番は4月中旬以降。美山川上流域の芦生は手つかずの自然が残っており、美しい天然ヤマメが釣れるが、谷が林道からそれ、険しい所もあるので単独釣行は避けたい。

 【滋賀県】安曇川の朽木地区は支流の針畑川、麻生川、北川へ重点的にアマゴ、イワナの稚魚放流が行われており、魚影がとても濃い。本格化は雪解けが落ち着く4月中旬以降。安曇川上流の葛川は、成魚を狙うなら中村地区周辺、天然ものは花折峠下が面白そう。

 【三重県】宮川上流のダム下は稚魚の成育が良好。数は出ないが型がいい。ダム上は5月以降に本格化し天然ものがそろう。小型もかなり釣れるが、資源保護のため、体長制限を守りたい。渓相が大雨災害から復活してきている。大内山川は水温が高く、4月ごろから本格化しそう。両川ともに釣り人が少なめなので、のんびり釣れるのが魅力。

 【奈良県】十津川は大雨災害による爪跡が深く残っているが、東側の渓は被害が少ないので狙い目。きれいな渓相の旭川、滝川、芦廼瀬川は稚魚放流が充実しており、昨年の釣り残しも狙える。天ノ川は人気が高く人が多いが豊富な放流量と川の豊かさで安定した釣果が期待できる。奈良の川は災害復興のためにも、ぜひ足を運んでいただきたい。

 【和歌山県】日高川本流の上流部は大雨災害により、渕が土砂で埋まっている所が多いが、龍神温泉周辺の水深のある渕で準天然ものの数釣りが楽しめそう。支流の小又川、丹生川の上流は災害の影響が少ないが本格化は4月半ば以降。美形アマゴに出会える。日置川支流は災害の影響がほとんどなく雪もないので初期から天然、準天然ものの数釣りが期待できる。前ノ川は五味地区、安川は集落より上が良い。隠れ家的な渓が魅力の将軍川もお勧め。有田川上流は例年よりも解禁を半月ほど早める予定。

 【兵庫県】近年、アマゴの放流にも力を入れている揖保川が面白い。初期は雪が残るが引原川のダム上や三方川上流が良い。本流には解禁前日と5月の連休前に尺アマゴを放流予定。初期は水温が低いので5月以降が狙い目。エサはキンパクが良い。円山川は雪が少なく各支流の上流まで入川可能(かんじきは必要)。お勧めは八木川水系の小佐川、小佐川の枝川・日畑川、稲葉川水系の阿瀬渓谷、分尾川。分尾川では48センチのイワナが釣れたことも。

 【中国】鳥取・日野川は上流部に雪があり、初期はルアーのサクラマス狙いが面白い。最下流の2つのえん堤が一級ポイント。4月以降は中流の日野町付近で25センチ級の本流ヤマメが狙え、夏にはフライで40センチ超も掛かる。千代川の解禁当初は上流の八東川が狙い目。大雪がなく小~中型の天然ヤマメが数釣れる。5月ごろからは漁協周辺で尺ヤマメも食う。今年から3年間、保護区が設置されるので注意。

 【四国】徳島・海部川は上流域が狙い目。勝浦川では、稚魚放流を例年より1か月早めたことにより、成育良好となる見込み。【日刊FPC・井上富博】