<2013年間大賞:船釣りブロック>

 2013年間大賞の発表でラストを飾るのは、船釣りブロックの計44地区だ。日刊スポーツ新聞社指定・共栄会に所属する釣り宿&釣具店で今年、出た大物や最多など価値ある記録を樹立したアングラーに贈られる。

 ◆モロコ=33・5キロ

 佐々木勉さん(45=横浜市)、南伊豆・須崎「静栄丸」8月4日

 釣りを楽しむ人はタイプもいろいろ。佐々木さんの場合は「食べるためで子供たち(3人)と家族が喜んでくれるのがうれしい」という。南伊豆をベースにして、もっぱら船釣りオンリーでマダイやイサキ、時にはヒラマサやムツなど、ターゲットは多種多彩。モロコも10年前から始め、要領は慣れている。ただ、この日は最初、マダイ狙いだった。

 5分ほど沖(水深40メートルライン)で連発したのが、外道のサバやソウダだ。「これはモロコのエサになるから」と船長らと相談した結果、OK。持参していたモロコ用のタックルにチェンジして釣り始めたところ、1メートル余りのウツボが食いついた。底上5メートルにタナを取り、置きザオで待つ釣り方だが、これまでの経験から「ウツボがいればモロコもいる」と確信。さらに釣り続けると、果たせるかな、15分後の午前8時40分すぎだ。置きザオがコツコツ…ギュギューンッ!

 根に逃げ込まれると厄介。で、置きザオのままリールをガンガン巻き、4分弱で海面下に巨大魚が浮いた。

 モロコは、過去に38キロを釣っているが、特に記録にはこだわらない。今年、モロコを狙う機会はこの1回だけで「それをモノにできただけで上々」と話す。獲物はムニエル、ソテー、チャーハンなどに仕上げて家族と賞味。子供たちとはサーフィンやスキー、剣道、それに釣りを通してコミュニケーションはバッチリ。これからも「家族に喜んでもらうために釣行を続けていく」と結んだ。

 ◆現認・須崎「静栄丸」土屋法久代表(37)

 うちで今年、釣れたモロコは佐々木さんのものだけ。南伊豆沖のモロコは、20キロクラスがアベレージサイズで、30キロを超すものはめったに出ない。希少価値のある記録です。佐々木さんは魚を大事に扱い、釣ったものは全部持って帰るし、それだけ釣りに対しても研究心が旺盛で、道具も含め工夫している。