<船FISHING>

 厳寒期に旬を迎え、食味が増すカワハギを狙おうと23日、和歌山・湯浅栖原の「かるも丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で早朝から日ノ岬沖へ出た。うねりと底潮の流れが速い悪条件の中、反射板やビーズを付けた派手な仕掛けで挑戦。シェイクやたたきなど色んな誘いで食いを引きだし午後1時半までに肝がパンパンに詰まった20~25センチを12匹ゲット。サオ頭は亀山祐司さん(奈良市)で20~27センチを24匹釣りあげた。獲物は水炊きと刺し身をキモしょう油で食べたが、濃厚な味わいが絶品だった。

 カワハギはエサ取り名人と呼ばれ、硬くて小さな口でエサを吸い取るようにかすめとる。そんなカワハギの口にハリを掛けるのは非常にむずかしく、ハリ掛かりに持ち込むヒットパターンを追求するのが面白い。

 午前7時半ごろ、日ノ岬沖に到着。水深は40~45メートルで底はカワハギが好みそうな岩礁帯が広がっている。右舷の後方に入り、集魚板を付けた胴突き3本バリ仕掛けをセット。添加剤をふりかけたアサリ貝のむき身をエサに、船長の合図で一斉に流し釣りを開始した。

 うねりが大きい中、仕掛けを投入。オモリが着底すると底を数回たたき、少し引き上げ、サオをゆっくり上下することを繰り返す。だが、うねりに加え底潮が速いためにアタリがわかりづらく、むき身のワタだけを見事に食い逃げされエサ取り名人の洗礼を受ける。

 そんな中、左隣りの竹内弘さん(堺市)は集魚板の替わりに、蛍光塗料が入ったケミホタルをつけてカワハギに強力アピール。底でサオ先をシェイクし、底を少し切ってさらにサオを振る。この動作を繰り返す活発な誘いでいきなり、25センチのグッドサイズをゲット。

 そして記者にも小さく穂先を揺らす本命アタリ。今度は逃すまいと、ゆっくりきき合わせ、22センチを取り込んだ。その後も底でシェイクし、1メートルほど仕掛けをゆっくり引きあげ、再び底まで落とし、直後に出るアタリを狙うと20センチ超が連発。

 船首では船釣り初挑戦の亀山さんが20、24センチをダブルでゲット。「ピクピクとしたアタリを掛け合わせた瞬間がたまらない」と大喜びする姿がみられた。正午前になると、底流れが緩み、カワハギの活性が上昇。

 コツをつかんだのか、亀山さんが良型を次々に掛け、竹内さんは28センチの大型を仕留め「刺し身がうまそうだよ」とにんまり。その後もポツリポツリと20センチ超が釣れ続き午後1時半に終了。サオ頭は亀山さんで20~27センチを24匹。記者は12匹だったが、肝が大きくて食欲をそそられる良型ぞろいに大満足で沖をあとにした。【中村和嗣】

 【今後の見通し】今シーズンはカワハギの魚影が濃くて型もいい。低水温期に入っても活性が高い状態が続いていて期待できる。日ノ岬沖、白崎沖で条件が良ければ18~28センチが20~30匹釣れ、尺クラスも狙える。初心者はエサをしっかりとハリにつけ、底から50センチ上までをゆっくり探ると良い。5月ごろまで楽しめる。

 【問い合わせ】かるも丸【電話】0737・62・3527。乗合船料金は1人1万円、エサ(アサリ貝のむき身1パック)、氷付き、仕掛けは別。仮眠所あり。出船は午前6時ごろ、納竿は午後1時半ごろ。

 【交通】電車はJR紀勢本線の湯浅駅下車。タクシーで約5分。車は阪和自動車道の有田ICを出て国道42号を南下。湯浅交差点の信号を右折。北橋を右折(かるも丸の看板あり)、道なりに進み栖原港へ。