<船FISHING>

 大阪湾で産卵を終えたタチウオが活発な食いをみせている。大阪泉南・岬町の「小島丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で12日、早朝から淡路島沖へ出た。胴突きのテンヤ仕掛けのゴー&ストップのパターンにタチウオが好反応を示し、正午までに75~95センチを23匹食わせた。サオ頭は栄光さん(大阪市)と福元勤さん(同)でともにメーター級交じりで同型を34匹ゲット。寒風を忘れるほど、アタリが多発し、魚影の濃さを実感する釣行だった。

 タチウオは秋のイメージが強い魚だが、ここ数年は冬場に入っても好調に釣れており、特に産卵後の荒食い期にあたるこの時期は食いが良いようだ。午前7時すぎ、淡路島沖の水深約60メートルのポイントに入った。ゆっくりと上り潮が流れる中、左舷中央に座り、胴突き仕掛けをセット。

 冷凍イワシをワイヤーでテンヤにしっかりと巻きつけ、さらに枝バリに5センチほどのサンマの切り身をちょん掛けにした仕掛けを投入。着底と同時に電動リールのスロー巻き上げでゆっくりと仕掛けを引き上げるが、なかなか反応が出ない。

 周りで早々とサオを曲げる人の様子をしばらくうかがうとゴー&ストップで食わせている。なるほど。手巻きに切り替え、テンヤの着底後2回ほどリールのハンドルを速巻きしたあと、しばらく止めて待つことを繰り返すと水深45メートル付近で止めを入れた瞬間にサオ先のテンションが軽くなる食い上げのアタリがきた。

 ラインを素早く引きあげ糸ふけをとり、獲物の重みを感じたところでガツーンと合わすとヒット。ゴンゴンと荒々しい締め込みをみせるがテンションをかけたまま一気に引きあげ、90センチのタチウオを釣りあげた。

 食わせのパターンをつかめばこっちのもの。その後は1投ごとにアタリをとらえ、1時間半ほどで75~90センチを10匹追加。8割が食い上げのアタリで枝バリに食いついてきた。

 そして同9時すぎ、下り潮に変わり、潮の流れが速くなると、タチウオの活性がさらに上昇。サオ先が一気に海中へ引き込まれる豪快なアタリをとらえサオが満月に。大型を思わせる重量感たっぷりの引きに期待しながら引き上げると75、90センチがダブルヒット。次もダブルが続き、意気揚々。

 結局、正午までアタリがやむことはなく75~95センチを23匹釣りあげて納竿。サオ頭の栄さんは「3回の早巻きのあと、仕掛けを止める」パターンで70~115センチを34匹の爆釣だった。ドラゴンこそ釣れなかったが、うわさ通りの食いの良さを実感し、沖をあとにした。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【今後の見通し】船長によると釣れ続くうちはタチウオを狙っていくという。昨年は3月末まで釣れていた。アタリがあっても掛からないときは必ず、エサを付けかえることが好釣果につながる。大潮回りは25センチ超の良型メバルも狙える。

 【問い合わせ】小島丸【電話】072・495・0006。乗合料金は5500円(冷凍イワシ1パック、氷付き)。出船は午前6時すぎ、納竿は正午ごろ。

 【交通】南海電鉄・難波駅発午前5時10分の空港急行を利用。みさき公園駅下車、送迎あり。帰りは多奈川駅まで送迎。車は阪和自動車道の泉南ICを出て県道63号、国道26号を経由し、和歌山方面へ。深日ロータリーを右折し、府道65号を走り、とっとパーク小島をすぎると、乗船場がある小島漁港に出る。