<ニッカン・つりラボ>

 東京湾のスミイカが好釣ロングラン!

 横浜・鶴見の「新明(しんみょう)丸」では、昨年10月から好釣果を連発し、その勢いは年明け以降も衰えず、トップは10匹以上の2ケタ台をマークしている。加えて、この時期はサイズがよく、600グラムを超す大型も乗っているが、ここにきて、深場から浅場へ“戻る”気配があり、さらに大物が狙える可能性も-。ルポから攻略法も探った。

 スミイカは冬場、潮温の低下とともに深場へ移動するが、春になると産卵に備え、浅場へ戻ってくる。いわゆる<乗っ込み期>で、「新明丸」(高橋英夫船長=44)から出漁した日は、早くもその気配をのぞかせる展開をみせた。

 この日は、各地に大きな被害をもたらした大雪の後で、潮温は11度以下に下がっていたため、最初に入った釣り場は竹岡沖で水深50メートルラインの深場。右舷のトモ(船尾)で筒井俊行さん(81=横浜市)がいきなりスミイカをヒット!

 500グラム余りの良型が躍り上がった。隣に並ぶ清須照雄さん(73=川崎市)も同型を仕留めた。しかし、後続なし-。冷たい潮のせいなのか?

 水深60メートルラインも攻めたが、反応がない。

 そこで、高橋船長が選択したのは、水深30メートルラインだ。果たせるかな、再びスミイカが乗りだし、左舷胴ノ間(中央)にいた安斉文夫さん(61=横浜市)が700グラム弱の大型をゲット。スミイカにそっくりなシリヤケイカも乗ってきた。

 後半、「モンゴウイカ」と呼ばれるカミナリイカも掛かり、筒井さんは何と1・5キロを超す大物を取り込み、「こんなにデカいモンゴウは初めて見た」とビックリ!

 最終的に筒井さんと清須さんがともにスミイカ9匹でサオ頭に-。

 高橋船長は「当分は水深40メートルラインが中心になるだろうが、今日の様子から見て、潮温さえ上がれば大型も狙える乗っ込みが早まる可能性も出てきた」と話す。それを裏付けるように、18日はトップが12匹をマーク、780グラムの大物も見ている。スミイカの“春”は間近だ。【長瀬川忠信】<高橋英夫船長のアドバイス>

 スミイカは、底付近にいて、シャコやエビなどを捕食しているので、うちではシャコエサをセットしたテンヤで狙う<テンヤ釣り>を主流に、ハリスの途中に枝スでスッテ(エギ)を出す仕掛けも使っている。

 ◆シャクりが決め手

 仕掛けが底に届いたら道糸を張るようにして、5秒を目安に1回のペースでソフトにシャクる。一方の手でリール部分を握って、一方の手はリールの前に当てて支える感じに、体の前で斜に構えて持つスタイルが最も疲れが少ない。キャストして広範囲に探るパターンもあり、少し待ってからシャクる。イカが飛びつく時間をつくってやるのがポイントで、5秒待ってダメなら、次は7秒以上と長くする。待つときに、テンヤで底を小さく小突くのも方法。シャクった後、サオを倒す感じにスローで下ろす。テンヤがゆっくりと落下するイメージでやれれば、イカへのアピールになり、底に着くと同時に飛びついてくることも多い。

 ◆しっかり合わせる

 イカは大抵、シャクったときに乗る。ズンッ!

 という感触があったら強く合わせる。ただし、シャクッたときにサオを頭上まで上げてしまうと、糸がたるんで合わせが利かずバレることもあるので要注意。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「新明丸」【電話】045・501・2081。スミイカの乗合は午前7時30分出船でシャコエサ3匹付き9000円。ほかにショート便のシロギスと週末限定で夜釣りのクロメバルも出漁中。毎週木曜日定休。HP<http://www.shinmyoumaru.com/>

 ▼交通

 電車はJR・鶴見駅か、京浜急行線・京急鶴見駅から潮見橋手前「新明丸」まで徒歩約4分。車利用の場合は詳細要確認。