<ニッカン・つりラボ>

 東京湾のマダコがノリノリ!

 今年は、およそ10年ぶりのワキの濃さで、横浜・鶴見の「新明(しんみょう)丸」ではトップが20匹台の爆釣を記録することもしばしば。折しも乗っ込み期と重なり、4キロ以上の大ダコも乗っている。同湾のタコは「江戸前」のブランドでも知られ、あの兵庫・明石のものと負けず劣らず美味。これをゲットする決め手は<小突き>だ。

 東京湾のマダコは今、トップシーズン<夏ダコ>前のはしりだが、今年はワキの濃さに沸いている。「新明丸」ではそれを裏付けるように、6月はトップが数で2ケタ台を連発する中、16日に22匹、23日には何と27匹を頭に全員が10匹以上をマークする爆乗りぶり。また、15日に3・95キロ、23日と27日は4キロオーバーの超ド級もみている。マダコ船を担当する高橋英夫船長(44)によれば、ワキの濃さに加え、8~9月とされる産卵期に備え、外海から大ダコも入り込んでいるという。

 出漁した日は、潮が澄みすぎる悪条件にもかかわらず、タコは乗った。右舷胴ノ間(中央)にいた長谷文彦さん(52=東京都港区)は、手釣りで次々にタコを躍らせ、計10匹をゲット。釣り場は水深10~13メートルラインが中心で、根掛かりに苦戦する人も多かったが、最終的に船中でトップは12匹を取り込み、サイズは300~600グラムクラスを主体に2キロ近い大ダコも掛かった。

 長谷さんは、東京・芝浦ですし店「おかめ鮨」を経営し、「江戸前のタコは、身は甘みがあって軟らかいから刺し身やタコ飯がうまい」と話す。シーズンはこれからがピーク。釣り場も富岡沖など範囲がさらに広がり、チャンス到来!【長瀬川忠信】

 ◆「新明丸」高橋英夫船長(44)のアドバイス

 エサのカニをセットしたタコテンヤが底着後、手釣りで底をたたく感じに小突きます。根掛かりが多いですが、小刻みに時折、スローテンポで続け、カニが泳いでるかのようにアピールしてください。大事なのはタコテンヤを底から離さないように<立てる寝かせる>を繰り返しながら誘うこと。離れているとタコは乗ってくれません。小突くうち重みのあるモワ~とした感触があれば、タコが触れているとき。ただし、ここで抵抗感を与えると、すぐに離してしまう。ズッシリとした重量感が伝わったときが合わせのタイミングです。

 釣り上げたタコは、網に入れて口を縛り、海水を張ったバケツに入れておくと生きた状態が保てます。下処理は、塩と酢(各大さじ1)をかけ、もみ込みながら流水でヌメリを洗い流してください。ゆでる際、緑茶か紅茶、酢など(大さじ1杯)を入れると身が軟らかくなります。ゆでる時間は、生っぽさを残すなら30秒ぐらい、保存する場合は15分が目安です。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「新明丸」【電話】045・501・2081。マダコの乗合は午前7時30分出船、エサ付き9000円。ほかにマゴチと土・日曜日&祝日限定で夜釣りのクロメバル船も出漁。詳細要確認。木曜日定休。HP<http://www.shinmyoumaru.com/>

 ▼交通

 電車はJR鶴見駅か京浜急行線・京急鶴見駅から潮見橋手前の「新明丸」まで徒歩約5分。車利用の場合は詳細要確認。

 ※マダコは富津「みや川丸」連絡先【電話】0439(87)4137と川崎「つり幸」連絡先【電話】044(266)3189でも出漁中。

 ※マダコのフルコース料理(にぎりずし、刺し身、ぶつ、タコ飯など)が「おかめ鮨」で食べられる。詳細は【電話】03・3451・6430。