<ニッカン・つりラボ>

 茨城・鹿島沖で、ひとつテンヤ仕掛けのマゴチ釣りが大人気だ。オモリにハリが直結しているひとつテンヤではマダイ釣りが有名だが、鹿島沖では良型マゴチがさまざまな釣りで外道で釣れていたこともあり、第三幸栄丸が7月中旬から始めた。冷凍エビをエサに好釣をキープ。しかし、エビを上回る爆釣パターンがあった。小学6年の子役釣り師佐野代吉君(11)も7匹を釣り上げたぞ!

 ひとつテンヤのマダイ釣り経験のある代吉君も、マゴチは初めて。テンヤ始めからアタリはあるものの、タイミングが合わずに3時間は沈黙していた。

 周囲ではきれいにサオが曲がっている。代吉君、どうしても今までの「ちょっと食わせて待つ」マゴチ釣りのイメージから離れられずに「ちょっと様子をみて合わせていた」(代吉君)。底のズル引きなども試してみたが、冷凍エビの頭だけきれいに食われてしまう。

 そこで考えた。着底して、すぐに反応があるため、底を感じた直後の前アタリで合わせてみた。

 「ガッチリ食い込みますね。これは待ってはいけない釣りだと思う」と代吉君はニッコリ。このファーストキャッチも含めて、約15分の間に4匹連続ゲットした。最終的には45~61センチを7匹ゲットした。

 代吉君のサオさばきを見た上原正隆船長は「こりゃ、たまげた。この小学生のあんちゃん、今日が初めてかい。釣りの筋がいい。もう分かっただろうから、次からは、バンバン釣れるな」と目を細めた。

 ◆代吉君は、劇団ひまわりに所属している子役。舞台「忍たま乱太郎」で「摂津のきり丸」を演じるなど売れっ子俳優。将来は、俳優ではなく「釣り師になるのが夢」。

 ▼宿

 鹿島「第三幸栄丸」【電話】0299・82・6032。午前5時出船で正午ごろ帰港。冷凍エビ1パックと氷と寄港後のカレーライス、そうめんなど昼食付きで1万1000円。現在、休憩所を建設中で今月下旬までには完成予定。早めに港に着いて、仮眠も自由にできる。<ここがポイント>

 ▼エコギア

 代吉君は最後まで冷凍エビで通したが、ひとつテンヤ仕掛けにマルキユーのワーム「エコギア

 パワーシャッド5インチ」を使っていた釣り人は数を伸ばしていた。上原船長は「冷凍エビは釣れても、頭を食われちまう。エコギアならそのまま使えるから手返しもいい。ビキナーさんでも釣れちゃうな」。タコボウズ記者もピンクを装着してキャスト。冷凍エビから替えて1投目で58センチが釣れた。あちらこちらで写真撮影をしなければならずに釣果は2匹だったが、釣りの経験の浅い人でもビッグキャッチが望めそうだ。

 ▼浮かすとサメ

 着底後、ズル引きもいいが、ちょっとでも浮かせるとサメが食いついてくる。したがって、危険が分かっていてズル引きするよりも、着底後に反応がなければ、すぐに回収して、またキャストする方が捕獲のチャンスは広がりそうだ。ただ、釣りの方法論は1つではないので、ズル引きの極意も今後開発されていくかもしれない。

 ▼チャンスは着底後

 マゴチを今までターゲットにしていなかった鹿島沖なので、魚影は濃いようだ。着底してからすぐに食ってくる。つまり、距離を稼いで、ズル引きをしなくても着底後の反応だけを拾うだけでもチャンスはありそう。キャストして、着水した瞬間にリールのベールを戻して、道糸がこれ以上出ないようにする。落ちていく仕掛けは、手前になだらかなカーブを描いてトン、と着底。その直後にアタリが来る確率が高いので、すぐ合わせられる準備をしておこう。