<ヘラFISHING>

 「第36回G杯争奪全日本ヘラブナ釣り選手権」(主催・株式会社がまかつ)が19、20日に千葉・富里市の「富里乃堰」で行われ、予選を勝ち抜いた36選手(シード含む)がヘラブナの総重量を競った。20日の午後1時からの決勝戦は5選手で戦い、唯一のチョウチン釣り(8尺のセット)で14・8キロ(27匹)釣りあげた堀川要一選手(43=清遊湖)が初優勝した。2位は200グラム差の14・6キロ(24匹)で後藤田義臣選手(49=甲南へらの池)、3位には9キロ(17匹)の上杉拓選手(37=清遊湖)が入った。

 「好きな釣り方で勝てて気持ちがいい。最高の気分です」。堀川選手が得意のチョウチン釣りで一か八かの勝負をし、接戦を制した!

 この釣り方を始めたのは6年前、「たまたま短ハリスのパワー系チョウチンをやったときにすごく釣れ、つぼにはまった」という。

 それ以来、全国大会にも出場するようになるが諸刃の剣的な釣法だけに、なかなか結果が出せなかった。

 そんな中、G杯4勝(18、20、21、25回大会優勝)の名手・岡田清氏と出会い、影響を受けながら「攻めと守りを両立したサッカーでいうボランチ的なチョウチン釣り」を磨いてきた。

 だが、池は固定桟橋のみ。桟橋下がかけ下がりになっていて自分の釣りを封印して戦うしかなかった。特に予選は水深が浅く、短ザオのセット釣り(メーターのウドン)で何とか4位通過。

 それでも、準決勝で桟橋下が最も深い釣り座に入ると迷うことなく「自分の最高の武器(チョウチン釣り)で打ち切ろう」と決断。誰1人として選択しなかった釣り方で果敢に勝負した。

 釣り座交替で残ったエサが桟橋下に捨てられ、魚が集まっているとも読んだ。すると、狙いが的中。予選の不振を払拭する大型のヘラをそろえ(14・8キロ)4組トップで準決勝を通過。

 決勝では「フッフッと受けが入りながら沈んでいく」小さめの自作ウキを使い、2段シャクリのあとや、落ち込みのアタリを的確にとらえ、長ザオの底釣り(両ウドン)で型を狙う後藤田選手を200グラム差で抑え見事、初のG杯を獲得した。

 優勝カップを手にすると「これまでG杯に2回出場しているが、いつも準決勝で優勝する人に負けていたのでその分、うれしい。連覇を見すえ、苦手な釣りを克服し、どんな状況にも対応できるようになりたい」とさらなる飛躍を誓った。【近江康輔】

 ◆堀川要一(ほりかわ・よういち)1971年(昭46)9月7日生まれ。土浦市在住。会社員。ヘラ釣り歴12年、主な釣行池は「つり処

 椎の木湖」。所属クラブはT-style。

 ◆エサ

 ▽バラケ

 「ペレ匠顆粒」1「ペレ匠粉末」0・5に水2杯半を加え、15分ほど放置し「ペレ匠ダンゴ」2「華々」2を入れてまぜる。さらに「セットバラケ鬼武者」2を加えてまぜ、5分ほど放置し「軽グル」1を入れたもの。調整は手水。計量カップ120cc▽食わせ

 タピオカウドン。【経過】

 初日の予選は36選手が6組に分かれ、奥の桟橋で2時間半を2試合戦った。休日で人が多かったため、奥に新ベラが集まり、短ザオの固形セットや、長ザオのバラグルで釣果が伸びた。2日目も同様に3回戦が手前の桟橋で行われ、2日間の合計ポイントの各組上位4人が勝ち上がった。

 準決勝も同桟橋で行われ、24選手が4組に分かれ、午前10時~午後0時15分まで戦った。水温が上がり、人も減ったことから、短ザオのセットや両ダンゴ、長ザオのペレ宙、ウドンの底釣りで好調にサオが曲がり、各組1位と、各組2位の最上位者計5人が決勝へ。

 決勝は午後1時から同桟橋の西側で2時間半戦った。雨雲が近づき、気圧が下がる中、浅ダナと深ダナに分かれ、ただ1人8尺のチョウチン釣りを選択した堀川選手が、15尺の長ザオで底を狙うウドンの名手・後藤田選手を破り初優勝を飾った。