東京都の都政改革本部第3回会合が1日、都庁で開かれ、五輪調査チームが提案していた、2020年東京五輪・パラリンピックの3競技について、それぞれ複数案が示された。

 ボート、カヌー・スプリント会場は、都内臨海部の「海の森水上競技場」を恒久、あるいは仮設で整備するか、宮城県登米市の長沼ボート場に変更するかの3案。長沼は、復興五輪の理念につながることへの評価がある半面、カヌー対応仕様への修正や、観客席やメディア関係エリアの配置見直しなど課題も多い。

 バレーボール会場は、現行計画通りに「有明アリーナ」(江東区)を新設するか、代替地として横浜市の「横浜アリーナ」を充てるかの2案を示した。有明アリーナを新設する場合は、経費の削減が必要となる。

 一方、水泳会場は、現行の「五輪水泳センター」(江東区)のままとし、客席数を1万5000席か2万席とし、東京辰巳国際水泳場に隣接する都立公園内に新設する。その上で、大会終了後に建物を改修して、規模を縮小する「減築」は行わないとした。

 提案内容の調査を進めてきた上山信一・都特別顧問は、「(これまで)エンブレムや新国立競技場と、いろんな問題があった。今回(の見直し提案)も問題かもしれないが、大会開催までにいろんな見直しや変更はある。ロンドン大会も、開催2年前まで(見直しや変更が)行われてきた。ある意味で、五輪にはつきものだ」と指摘。その上で、「国際オリンピック委員会(IOC)も、都庁とダイレクトに話をしないと、話は進まないという意思がだいぶできている。(組織委員会だけでなく)都庁も、今後積極的に発言していくスタンスへの変更は必要だ」と述べ、意思決定への都の関与を深める必要性を強調した。

 情報公開をさらに進める意向も表明。IOCと開催都市が結ぶ都市協約について、都は13年9月、情報公開請求を却下しているとし、「IOCと相談して、公開する方向にしていかないといけない」と述べた。日本が公開していない大会予算の総額を事前に公開すべとして、予算の決定過程に都も共同で参加すべきとの考えも示した。