公選法違反事件に伴う柿沢未途氏の辞職を受けた衆院東京15区補選は28日、投開票され、立憲民主党の酒井菜摘氏(37)が初当選した。
午後8時の開票締め切りと同時に当確が出る圧勝。一方、作家の乙武洋匡氏(48)は落選が決まり、2022年参院選に続き今回も国政に届かなかった。
乙武氏は結果を受けて午後8時すぎ、東京都江東区の選挙事務所にスーツ姿で現れた。「残念ながら当選には至らなかった。責任を感じている。この結果については申し訳なく思っています」と述べ、関係者らに陳謝と謝意の言葉を口にした。
派閥裏金事件を抱えた自民党とどう向き合うか、見えにくかったのではないかと指摘されると「いろいろなお考えはあるかと思うが、結果がすべて」と述べるにとどめた。何が足りなかったのかとの指摘にも「私の不徳の致すことに尽きる」と多くを語らず、敗因についても「数字(票数)がすべて出た時に振り返ってみたい」とだけ答えた。
一方、選挙戦を通じて「つばさの党」の候補者や陣営関係者に妨害行為を受け続けたことについては「有権者のみなさんにとって、ああした妨害行為で各候補者の主張を聞く権利が奪われたのは残念で、許しがたい」と指摘。「現行法では(妨害行為が)許されてしまうなら、しっかり法改正をして2度とああしたことがないよう何らかの法改正をしていくべきだ」と訴えた。選挙戦中には、公職選挙法の「選挙の自由妨害罪」の罰則強化を、追加公約している。
今回、無所属で選挙を戦いながら小池氏や国民民主党の推薦を受けたことが有権者に分かりにくかったとの指摘も受けた。当初見込まれた自民党の推薦を受けなかったことの、選挙結果への影響も問われたが「比較対象がないので、なんともいえない」と、やはり多くを語らなかった。
選挙戦を前面に立って支援した小池百合子都知事からは前日、「お疲れさまでした」とねぎらわれたという。小池氏は12日間の選挙戦のうち実に9日、応援に入った。「連日ご支援をいただいたが、こうした結果となったのは私の至らなさだ」とも口にした。
次期衆院選を含め、今後再び選挙に挑戦するのか、再三問われたが、乙武氏は「まずは、今回しっかり挑戦するということだけを考えていた。(今後は)まだ何も考えていない。みなさんと相談しながら考えたい」と明言を避けた。明言しない理由を問われると、少し考えた上で「疲れ果てたので、ちょっと1回考えさせてください」と述べた。
選挙前に「ファーストの会」副代表に就任したが、この役職を続けるかどうかについても、今後小池氏らと相談して決めるとした。会見を終えると、駆けつけた支援者に謝意を示しながら会場を後にした。
一方、乙武氏を推薦した都民ファーストの会幹部は、乙武氏を再び選挙で擁立することに強い意欲を示した。「やっぱり、いい候補者だと思った。結果はこうなったが、豊富な知見、経験で指導してもらいたい。我々からはこの後もお付き合いをお願いしたい」と、期待を示した。

