米大統領選で、ドナルド・トランプ氏(70)の勝利を、どれほどの人が予想しただろう。来年1月以降の米国がどうなるか、流れはまだ読めない。いち早くトランプ氏と会談したと胸を張った安倍晋三首相(62)も、肝いりのTPPを離脱する方針を突きつけられ、追い詰められてきた。韓国では、朴槿恵大統領が親友の国政介入疑惑に関し、検察に「容疑者」と断定された。世界のあちこちで不穏な流れが止まらない、11月の言葉から-。

 デスクA 今月は何と言っても、米大統領選の結果に衝撃を受けた。事前に準備を指示したのは、クリントン氏勝利の原稿だった。

 記者A 米CNNの生中継で、キャスターたちの顔がこわばり始めたのを見て、頭を切り替えました。

 記者B 投開票日の数日前、「『隠れトランプ』が勝利の鍵を握る」と書きましたが、その通りになった。米大手メディアが、ここまで世論を見誤るとは。検証しようにも難しいと思う。「隠れ支持者」は、まず本音を明かさない。

 記者C 選挙で当たり前だった世論調査の存在意義が、揺らぐ事態だよ。

 デスクB 「隠れ支持者」の多さのヒントは、ツイッターのフォロワー数。1530万人だよ。あの橋下徹前大阪市長も、約173万人。ケタがひとつ違う。

 記者A 更新も多い。トランプ氏が「SNSが生んだ初の米大統領」といわれるゆえんだね。

 記者C 父の「右腕」とされ、政権移行チームに入った長女のイバンカさん(35)もPR上手だね。彼女のジュエリーブランドへの注目は、日本でも高い。

 記者B 父娘とニューヨークで面会した安倍晋三首相は、54万円のドライバーを贈って「信頼できる指導者」とご満悦でしたが、トランプ氏はあっさり、TPP離脱を明言。顔に泥を塗られた形になった。

 記者A 米国が参加しないのに、なぜTPPの審議を続けるのか。国会答弁は説得力に欠けた。得意としてきた外交でつまずき始めた。

 デスクC 国際情勢が、「安倍1強」の流れを変えるかもしれないね。

 デスクB 韓国の朴大統領の親友、崔被告の国政介入疑惑では元ホストが登場したり、裕福な崔被告の娘の傲慢(ごうまん)な発言が表面化。現実は、韓流ドラマを超えました。

 記者D 最近は朴氏支持派のデモも拡大。父の朴正煕氏は今も年配の国民に支持され、現地では田中角栄元首相のような人気です。

 記者B 弾劾訴追案は、来月上旬に採決される見通し。結論には時間がかかるが、韓国は国家の威信や民主主義の存続が問われる、局面に入ったと思う。

 デスクB 高齢者が運転した車による死亡事故が、社会問題になっている。社会の高齢化に伴い避けられない現実ではあるが…。

 記者C 免許返納を促す動きもあるが、日常生活で必要な場合も多い。カートなどの代用車を導入する自治体もあるが、しゃくし定規に線を引けない問題だけに、簡単に結論が出せない。

 デスクC 年末の風物詩、ユーキャン・新語流行語大賞の発表も間近です。

 記者A 小池知事関連が4語ノミネートされましたが、小池氏は「盛り土」に関し「私ではありません。その前の方が」と、一線を画しました(笑い)。

 デスクA 「ポケモンGO」やピコ太郎と、ライバルは多い。注目だね。

<国際>

▼韓国の朴槿恵大統領(64)

 「1人で生きていて、いちばん苦しかった時に横にいて守ってくれた。警戒の壁を下げたのは事実」

 4日 親友の崔順実容疑者(20日起訴)の国政介入疑惑に関し、国民向け談話で、崔被告への特別な思いを吐露。

▼トランプ氏

 「分断の傷をいやさないといけない。私はすべての国民の大統領になる」

 8日 「世紀の番狂わせ」で米大統領選を勝利。

▼ヒラリー・クリントン元国務長官(69)

 「我々は高く硬いガラスの天井をまだ破れていない。そう遠くない日、誰かが破ってくれるでしょう」

 9日 米大統領選で敗北宣言。女性初の米大統領を目指したが、政界引退か。

<政治>

▼小池百合子都知事(64)

 「マネジメントと責任感の欠如、前例踏襲、チェック不足、職種間の連携不足。残念ながらきりがない」

 1日 豊洲市場の盛り土問題で会見。関係した元幹部ら職員の対応を「言語道断」と切り捨て、処分を明言。

▼安倍晋三首相(62)

 「当然、私費で払った。私のポケットマネーで払ったものだ」

 24日 トランプタワー訪問時、トランプ氏に贈った「本間ゴルフ」の最高級ドライバー(54万円)のお金の出どころについて。

<社会>

▼女性運転手(83)

 「ブレーキをかけたが止まらなかった」

 12日 東京都立川市の病院敷地内で、女性が運転する車が暴走、歩行者の男女2人をはね、死亡させる。現場にブレーキ痕はなかった。女性は危篤の夫を見舞い、帰宅中だったとされる。