大相撲の元力士が、ちゃんこ料理という得意技で“横綱”になった。

 ちゃんこ8店舗が参加したイベント「第2回GTI祭り~NESCAFE CHANKO-1グランプリ2016~」(日本元気シニア総研、日本ちゃんこ協会共催)が18日、東京・池袋西口公園で2日間の日程を終了。シニア世代を中心に多くの来場者がちゃんこを楽しみ、使い終わった割り箸で好みの店に投票した。

 集計の結果、元三段目鷲登(わしのぼり)の菅原東広(はるひろ)さん(56)の料理店「ちゃんこ 太五郎(だいごろう)」(岩手県盛岡市)が提供した「岩手まるごとちゃんこ」が優勝。ちゃんこでは初のグランプリ企画で頂点に立った。

 白みそ仕立ての深い味わいが好評。県内の宮古産のワカメ、雫石産の鶏肉、盛岡市内で精製された小麦粉を使い、地元の食材が味を引き立てた。

 菅原さんは「ちゃんこ鍋はあまり注目されなかったが、今回は主人公にしていただいて、皆さんに食べていただいて、おいしさを分かっていただいた。感謝の気持ちです」と笑顔。「いろんなイベントに出店してきましたが、ちゃんこがランク付けされたのは初めて。店員みんなの力で取った1位です」と感無量の様子だった。

 11年の東日本大震災後は、岩手県の沿岸被災地を訪問。避難所などで炊き出しを行い、被災者を温かいちゃんこで笑顔にしてきた。「沿岸は落ち着いてきたので、来年初めには豪雨被害が大きかった岩泉町を訪れる予定。これからも復興支援は続けます。都内の皆さんにも、このようなイベントを通して、災害が多い岩手県を思い出してもらいたい」と希望した。