自民党は7日、事前審査の場で政府案への異論や批判が相次いでいる再審制度の見直しに向けた刑事訴訟法改正案を議論する法務部会・司法制度調査会合同会議を、党本部で開いた。
会合では、法務省側から、検察抗告の「原則禁止」を、刑事訴訟法の「付則」に盛り込む内容の再修正案が示されたが議員側の納得は得られず、この日も最終的な結論には至らなかった。
議員側は、「原則禁止」であっても、「付則」ではなく、法律の本体である「本則」に明記するよう求め、折り合わなかった。
再審開始までの長期化の一因になっているとして、検察の不服申し立て(抗告)の全面禁止を求めてきた、弁護士資格を持つ稲田朋美元防衛相は会合後の取材に、「本来、『付則』は本則や改正に付随するもの。付随するものを書くところに、こんな重要な、抗告に関する規定を書くのは、私は法的におかしいと思う」と、法務省側の対応を疑問視。「(法務省は)刑事訴訟法全体のバランスとして、できないということをおっしゃるが、そんなはずはない。学者や元裁判官の中にも、抗告禁止を入れるべきとおっしゃっている方もいる。本則に、抗告は認められないということを書くべきだと思う」と繰り返し訴えた。
この日の会合は4時間近くにわたり、報道陣には非公開だったが、稲田氏らの主張は報道陣が待機する廊下にまで響き渡った。出席者によると、司法制度調査会長の鈴木馨祐前法相は、「本則」への明記に向けて、政府との調整に「全力を尽くしたい」と表明し、調整に当たる考えを示したという。
記者から「原則、抗告禁止では一致したが、(鈴木氏は)まだ私のあずかりだとおっしゃっていて、政府全体との調整が必要という話だった。『本則』に書くことが成就すると思うか」と問われた稲田氏は、「これができないようでは改正にならない」とピシャリ。「1980年代には4死刑囚の無罪判決が出たが、それでもまだ改正ができていない。今回はチャンスというか、ここで改正ができなかったら、また30年も40年もかかることになる。国会議員の責任として改正を実現したい」と述べ、「その思いはみんなが法務省に伝えており、それに応えて欲しい」と訴えた。
今回の改正案は、本会議や委員会の質疑に高市早苗首相が出席する「重要広範議案」に指定されているが、当初政府が目指した4月上旬の国会提出からは1カ月近く遅れている。党側と政府側の調整には一定の時間が必要とみられ、会議の次回開催日は未定だ。
高市早苗首相は4日、外遊先で報道陣の取材に応じた際、「与党内審査の議論も踏まえ、できる限り速やかに法案を提出するよう準備を進めたい」と意欲を示したが、おひざ元の自民党内の意見がまとまらず、もし国会提出が見送られるようなことになれば、高市政権にとっても大きな痛手となる。

