★7日、自民党本部で党法務部会と司法制度調査会での再審制度を見直す刑事訴訟法改正案審査の合同会議が開かれた。弁護士バッジを持つ党議員の多くは検察抗告の全面禁止を求めているが、法務省もすんなりとは受け入れない。ことに弁護士で元防衛相・稲田朋美は冤罪(えんざい)をなくすべきと強く訴え続け、法務省案でまとめようとする法務省3役経験者たちと会議のたび、厳しい応酬を繰り返している。この日も「政府の修正案は十分ではない」と会議は長丁場となった。一方、検察官出身の弁護士・郷原信郎は「再審で救済されることばかり考えると通常審の方は適当にやっておいて再審でひっくり返せば良いということになる」と懸念を指摘する。

★検察の絶対神話を崩すことが必要と考える弁護士の思いと、法務・検察のプライドのぶつかり合いの時間は無制限にあるわけでなく自民党は法案提出ができなくなるかもしれない。しかし多くの国民は袴田事件など長期すぎる裁判に「検察の嫌がらせ」を感じる。見直し規定を作って短時間に圧縮すればいいのかといえば自在な運用で検察の思い通りになることは明白。そもそも検察側が「冤罪かもしれない」という選択肢を持たず判決を維持するあまり乱暴や強引になっている現実を顧みない態度に弁護士たちは怒っている。

★自社さ政権の首相・村山富市は1995年8月、「戦後50年の終戦記念日にあたって」といういわゆる村山談話を出したが、新進党議員時代の首相・高市早苗は同年10月、衆院予算委員会で「勝手に謝られては困る」「国民的合意がない、侵略の定義がない」とかみついた。高市は「日本国民全体の反省があると決めつけているが、少なくとも私自身は(戦争の)当事者とは言えない世代だから、反省なんかしない」とうそぶく。一時は高市と並び安倍晋三の秘蔵っ子と言われた稲田が今戦う背景には、冤罪が横行する現実と重ね、高市の歴史観や過去とのつながりに興味を持たないことへの反発があるのではないか。80年前の憲法が押し付けられたものであれ、その憲法と当時の政治家たちの知恵でここまで来たものに対して、押し付けられっぱなしの日米安保や日米地位協定はなぜ問題にしないのか。自民党のご都合主義のほころびが稲田には見えたのではないか。(K)※敬称略