安倍晋三首相は10日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊派遣に関し、「5月末をめどに活動を終了させる」と電撃発表した。「(首都)ジュバの施設整備に一定の区切りを付けられる」と述べたが、現地では昨年、大規模戦闘が発生。防衛省が「廃棄した」としながら発見された部隊の日報には、「戦闘」の記述があり、国会で稲田朋美防衛相が追い詰められていた。電撃発表の背景に、現地の厳しい治安情勢があるのは確実で、首相が早期のリスク回避に動いた可能性が高い。

 一方、森友問題や「おんぶ政務官」更迭など、政権を揺さぶる問題が続く。野党からは、首相が森友学園の籠池理事長による会見にぶつけて、「籠池隠し」をはかったとの批判も噴出。首相は13日の参院予算委員会で追及されそうだ。