東京都の小池百合子知事は3日、豊洲市場移転問題を含めた今後の市場戦略を協議する「市場のあり方戦略本部」の第1回会合で訓示し、「これまでに出た諸課題を総点検し、私の『総合的な判断』につなげたい」と述べた。

 同本部が出す提言を受けて、築地市場の豊洲移転の是非を最終判断する意向を明言した。

 豊洲市場の地下水モニタリング調査で、高濃度の有害物質が検出されたことを念頭に、「石原知事時代当時の議論を踏まえて、法律を超える高いレベルの(土壌の安全)対策を講じることは、都民との約束だ」とした上で、「都民との約束が十分に果たされていないのが現状」とも指摘。「築地や豊洲の課題を精査した上で、今後の市場のあり方について考えることが必要だ」と述べた。

 小池氏と対立する都議会自民党は、豊洲移転推進の立場から、小池氏に移転の是非を早期に決断するよう求めている。小池氏は昨年11月に発表したロードマップに従い、今夏にも「総合的な判断」を出すと表明。一方で、判断を出すタイミングについて、自民党との全面対決となる都議選の前になるか、後になるかが、にわかに焦点になりつつある。