3日の外国為替市場の円相場は対ドルで上昇し、一時1ドル=151円台後半を付けた。4月上旬以来、約3週間ぶりの円高ドル安水準。4月の米雇用統計を受けて米長期金利が低下し、日米の金利差縮小を意識したドル売り円買いが広がった。日本政府・日銀による為替介入への警戒感も円買いを後押しした。

米東部時間の午前8時40分現在は、前日比1円79銭円高ドル安の1ドル=151円82~92銭を付けた。ユーロは1ユーロ=1・0804~14ドル、164円11~21銭。

米労働省が発表した4月の雇用統計で、非農業部門の就業者数の増加幅が市場予想を大きく下回った。労働市場の悪化を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が早まるとの観測が高まり、長期金利が低下した。

日本時間3日午前の早い時間帯は152円台後半まで円買いが進んだが、その後は153円を挟んでもみあっていた。日本は祝日だが海外市場では為替取引が続いている。シンガポールの市場関係者は「円の激しい値動きが続いたが、落ち着いてきた。日本政府当局の意図がここ数日で明らかになり、投機筋も慎重になっている」と話した。

円相場は4月29日に34年ぶりの円安ドル高水準となる一時1ドル=160円台前半を付けた後に円高が急速に進み、政府・日銀が円買い介入を実施したとの見方が浮上。5月2日にも介入とみられる動きが出ていた。(共同)