能登半島地震による大規模火災で開けなくなっている輪島朝市(石川県輪島市)が4日、金沢市金石(かないわ)地区で、2度目の出張開催をした。会場は県内外から訪れた大勢の客で埋め尽くされ、活気にあふれた。同地区での開催は最後となり、今後は、愛知や兵庫の商業施設など県外にも出張する予定。

輪島市朝市組合の組合員らを中心に約40店が参加し、前回と同様に海産物や能登の工芸品などが販売された。避難先の金沢から4月に輪島に戻り、海産物店の再開を目指す今門幸子さん(58)は地震前に作った魚のぬか漬けなどを並べ「こうしてお客さんに商品を説明しながら話せるのが楽しい」と喜んだ。

愛知県瀬戸市の50代男性は「10年以上の付き合いがある知人が出店すると知って来た。地震後、会えていなかったので、無事な顔を見ることができて良かった」と目をうるませた。

輪島朝市は観光名所として知られる。周辺の大規模火災では、住宅など約240棟が焼損した。再建を目指し3月に開いた1回目の出張朝市には、約1万3000人が訪れて盛況となった。(共同)