心と体はつながっているとよく言われるが、実はそのとおりなのだ。悲観的な人は心臓病の死亡率が高いということが、フィンランドの研究で明らかになった。

・悲観的にならないように

 フィンランド人の男女2267人を対象に、11年間の調査が行われた。その結果、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡率を比較すると、悲観主義的な傾向を持つ人は、悲観的でない人より2・2倍も高いことが明らかになった。心の持ち方が大事ということが分かる。

・ストレスの回数より受け止め方が大事

 米国のペンシルベニア大学の研究によると、ストレスや不安、怒りなどの回数よりも、ストレスをどのように受け止めるかが、心臓病に関係していることがわかった。楽天的に考えると、心臓病は少なくなる。

 自分の心の持ち方で、心臓病を減らすことができる。できるだけポジティブに、明るく、悪い予想はあまりしないこと。なるようにしかならないと思うぐらいが、心臓病を回避するためには良いらしい。

・お金より自由な時間の方が大切

 カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究では、お金をためるより、自由な時間を持つ方が、幸福感が高まることが分かった。お金があってもなくても、自由な時間を持ち、好きなことをやることが大事。

 日刊スポーツの読者は、スポーツの好きな人が多いと思う。とてもいいことだ。自分で体を動かしたり、スポーツ観戦をしたり、時々競馬に行ったり、こうした生き方が、ストレスを減らして、心臓病の予防になっているはずだ。上手な生き方をしていると言えるのではないだろうか。

 ◆鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭23)6月28日生まれ、東京都出身。東京医科歯科大医学部卒。長野・諏訪中央病院院長で「健康づくり運動」を実践。脳卒中死亡率の高かった長野県の長寿日本一に貢献。04年からイラク支援を始め、小児病院へ薬を届けたり北部の難民キャンプ診察も続けてきた。文化放送「日曜日はがんばらない」(毎週日曜午前10時)出演。