内容は箇条書きで複数、記載。「政治パーティーで山本(幸三)国家戦略特区担当大臣と会って話をした」の部分は、山本氏が「(新設のための)お金がどうなるのかを心配している」と発言したという内容。「18日、石破(茂)元大臣と会って話をした」の項目には「党プロセスは今後どうなるのか」「(党)総務会には上がってくるマターではないのか」とする、石破氏の発言も記されている。

 北村氏は「(自分が登場する)文書に書かれた内容はほぼ事実だ」と証言。昨年10月に文部科学省の専門教育課に電話し、伝えた内容という。山本氏とはパーティーで会った際、獣医学部の建設予定地がある愛媛県今治市の財政負担について話したとしている。

 一連の文書は、入手した民進党が国会で連日追及しているが、政府は、「総理のご意向」を伝えたとする文書の内容を否定。菅義偉官房長官も「怪文書みたいな文書」と突っぱねたが、内容を認める新証言が出たことで、政府側の説明があらためて問われそうだ。

 民進党はこの日の疑惑調査チーム会合で文科省に文書の公表を求めたが、担当者は「確認を進めている」の一点張り。蓮舫代表は会見で、「官僚による究極の忖度(そんたく)があったなら、内閣総辞職に値する内容」と、首相に説明責任を果たすよう求めた。同党は19日、学部の建設予定地などに調査に出向く。

 首相と、学園理事長の加計孝太郎氏は30年来の親友。首相は今年3月、「働きかけを頼まれたことはない。働きかけていたら責任を取る」と答弁している。