医師でジャーナリストの森田豊氏(54)が、横綱日馬富士から暴力を受けた平幕貴ノ岩に関して、いまだに症状を明らかにすることなく姿を見せないのは「PTSD(外傷後ストレス障害)を生じつつある可能性もある」との見解を30日、自らのブログ上で公表した。心療内科医としても医療に従事している同氏ならではの見立てである。

 同氏は貴ノ岩の症状について臆測とした上で「外傷やその後の騒動で、強い精神的ストレスを感じていて、場合によっては、急性ストレス障害を生じているか、あるいは、外傷後ストレス障害(PTSD)を生じる可能性もあります。PTSDだとすると外傷を受けてから、一定期間の無症状があった後に、さまざまな症状が生じる場合が多いのです」と分析する。

 その上で、ストレスを軽減させる処方箋は「認知行動療法」にあるとした。同療法は、何がきっかけでケンカになり、どうして暴力につながったか。どうすれば回避できたのかを整理して言語化する。そして、「今回の事件はたまたま偶然が重なった事柄だったと認知したり、過ぎ去った事で今後の自分の人生を規定することはない」などと、医師が寄り添いトラウマ体験を受け入れ自己実現をサポートしていくというものだ。

 さらに見立て通りだとすれば「警察による詳細な真相解明は、貴ノ岩に対する精神的ストレス軽減につながるだけでなく、相撲界に潜んでいるかもしれない病んだ考え方を正す良い処方箋となるかもしれません」と結んでいる。