海上自衛隊は1日、鹿児島県屋久島の南方を航行中のイージス艦「こんごう」から転落、行方不明になっていた、40代の男性1等海曹を救助したと発表した。1曹は命に別条はなく、鹿児島市内の病院に救急搬送されたが、24時間近く漂流していたため、うなずく程度の反応しかできず、転落した理由などは不明だという。

海自佐世保地方総監部によると、1曹はこんごうの砲雷科に所属する、主砲を扱う隊員だったという。1曹は11月30日午前5時20分ごろに艦内の食堂で目撃されていたが、同8時20分に訓練のため人員確認が行われた際には不在で、この間、何らかの事情で海に転落したとみられる。

翌1日午前4時ごろ、屋久島の南方約50キロの海上を漂流物にしがみついて漂っていたところを、護衛艦「いせ」の乗組員に発見、救助されたという。

海自佐世保地方総監部の広報担当者は、1曹がしがみついていた漂流物はプラスチックのような材質で出来たクーラーボックスのようなもので、自衛隊の備品ではないと説明した。またイージス艦から隊員が海に落ちることは「過去、あまり聞いたことはなく、ケースとしては、あまりないと思います」と語った。