都議会の議会運営委員会理事会が12日に開かれ、議員を辞職しない意向を示している木下富美子都議(55)に対して質疑を行う、18日の議運委への出席を要請することを決定した。

小宮安里委員長(45)が理事会後に取材に応じ、「このままでは、都民に対する説明が果たせていない。議会も混乱している。私どもとしては、2回にわたる辞職勧告決議の通り、辞職するべきだという考え方は変わっていません」と説明。質疑はすべて公開され、主要5会派が10分間ずつ一問一答形式で行う予定だ。木下氏が出席するかは未定だが、議会関係者は「来たら、フルボッコにされますよね」。過去には現職の都知事に都議会の委員会に出席を求めて厳しく追及することはあったが、議員への集中攻撃は異例だ。

木下氏は、無免許運転での当て逃げ事故を公表せずに7月の都議選板橋選挙区で再選。選挙応援に入った小池百合子都知事も先月、辞職勧告決議や召喚状に応じない木下氏について「理に反している」と批判していた。事故発覚後は約4カ月間、1度も本会議などに出席せずに“雲隠れ”したが、要請を受けて今月9日に議長、副議長と面会した。同日に予定されていた公営企業委員会にも出席する意向だったが、複数の委員が議員活動継続への異議を訴えて退席したため、全会派出席が必要な公営企業委は流会になっていた。この騒動を受け、都には4000件以上の苦情が電話やメールで寄せられているという。

この日、都公安委員会は自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)と道交法違反の疑いに加え、6回の無免許運転の疑いもあることから、運転免許取り消しの行政処分を決定。捜査関係者によると、処分決定に先立って本人か代理人から意見を聞く場が設けられるが、いずれも欠席した。

18日の議運委を前に辞職を決断するのか。出席せず反感を増長させるのか。それとも納得させる答えで議員継続を貫くのか。木下氏には、いばらの道しかない。【鎌田直秀】