山上徹也容疑者の伯父(77)が日刊スポーツの取材に応じ、容疑者の母親の現在の様子について語った。伯父は山上容疑者の父親の兄で元弁護士。母親は事件のあった7月8日午後、伯父宅に身を寄せ、いまも暮らしている。

日中はキッチンとトイレのある2階の部屋で過ごし、2階がフローリングのため、夜は1階の座敷で睡眠をとっている。母親が話し掛けてくることは、ほとんどないという。

この1カ月の間に母親は奈良地検の事情聴取を受けた。聴取に立ち会った伯父によると、検察官が「本件についてどう思うか」と尋ねると、母親は「申し訳ない」と話したという。

伯父は「彼女の『申し訳ない』は事件、世間に対しての申し訳ないではない」とし、入会している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し「迷惑をかけて申し訳ないという謝罪」と説明した。かなり落ち込んでいる様子だという。

山上容疑者は「母親が教団に入信して多額の寄付をし、家庭が崩壊した。(教団を韓国から)招き入れたのが岸信介元首相。だから安倍氏を殺した」と供述している。旧統一教会に恨みを募らせていた。

伯父によると、母親は91年ごろに旧統一教会へ入会し、夫の死亡保険金や、父から相続した土地・家屋の売却益などから計約1億円を献金した。

母親は旧統一教会の本や関連書類を伯父宅に持参したという。事件から1カ月が過ぎようとしているが、母親がいまだ強い信仰心を持っているとみている伯父は「息子のことなんて何も考えていない」と話した。【松浦隆司】