EXILEのフィジカルトレーナー、吉田輝幸氏が正しい体の使い方を伝授する「EXILEエクササイズ」。第28回は「本格的な運動を始めるその前に…」です。スポーツを始めるぞ!

 という人などに向けて、正しい体の使い方、動き方で最高のパフォーマンスを引き出す吉田氏の理論「PCPトレーニング」の“基本のキ”をお伝えします。

 ゴルフなら「飛距離を伸ばしたい」、マラソンなら「もっと速く走りたい」、腰痛ならば「痛みを取り除きたい」…。トレーニングをする場合、人それぞれの目標や目的があると思います。

 吉田氏

 このことは、日刊スポーツ読者の方も一緒だと思うんです。それぞれの目標に向けてのトレーニングはさまざまありますが、僕は画一的なものには疑問を持っています。なぜかというと、人それぞれ体って違いますから。だから、まずはその人の問題点を見つけるというところからやるようにしています。

 吉田氏は、人が体を動かす上で最も重要なのは「姿勢」だと強調する。

 吉田氏

 例えば五輪の陸上100メートルで出場する選手は、皆が同じような走り方をしてるでしょう。それは、正しい走り方で効率の良い動きをしていると、みんなが同じような足の動きになってくるからです。

 確かにトップアスリートの走り方は似ている。だが、見た目以上に大切なのが、その「中身」だと吉田氏は言う。具体例として、野球のスローイングを挙げた。

 吉田氏

 ピッチングの練習では、コーチが「もっと肘を上げなさい」とよく言いますよね。でも、肘が上がらない理由を探すと、もしかしたら肩が硬いからかもしれない。あるいは、見た目としては肘は上がったけれども、実は体が斜めになっているだけかもしれない。だから、「腕を振れ!」と指導をする前に、正しく肩甲骨が使えているかどうかをテストをする必要があるんです。つまり、その人が正しく体を動かせるかどうかを判断することが、優先であり重要事項。それはだれでも一緒。私が指導しているEXILEメンバーやアスレチックス中島裕之さんもです。

 第28回<2>につづく。【取材・構成=松本久】

 ◆PCPトレーニング

 体幹(コア)を最大限に活用した最新のファンクショナル(機能)トレーニング。ただ単に筋力を向上させるだけではなく、正しい体の使い方を基に「動き」を鍛え、障害を予防しながら確実にパフォーマンスを向上していく。

 [2014年4月18日15時32分]イリオソウアス・ストレッチ(太もも付け根のインナーマッスルをストレッチ)

 腸腰筋の柔軟性を高めれば、骨盤の安定や股関節の後方への可動域拡大に効果がある。上体が前傾したり、反り返るのはNG。