「うわあっ」。昨晩は、函館競馬場に近いホテルの自室で、そんな声が出ました。パソコンの画面に映っていたのは、ロイヤルアスコット開催2日目のメイン競走、プリンスオブウェールズSです(午前0時20分発走)。

昨年はダービー馬シャフリヤールが挑み、日本でも馬券発売があったアスコット競馬場の中距離G1です。昨年は5頭立て、今年は6頭立てですが、今年もまずまずの好メンバーでした。結果は、1番人気に推されていたルクセンブルクに4馬身差をつけ、モスターダフが圧勝。前走ドバイシーマC(馬券発売されたので覚えていると思います)は逃げるイクイノックスの2番手で運び、最後は7馬身突き放された4着だった馬です。

先日、英ダービー前日に行われたG1コロネーションCではドバイシーマCで3馬身半差2着のウエストオーバーがエミリーアップジョンには敗れたものの、2着を確保。ドバイシーマCの圧勝で現在、今年の「ロンジン・ワールド・ベストレースホース・ランキング」で首位に立っているイクイノックスですが、その評価は世界的に揺るぎないもの、誰もが認めるものになってきたのではないでしょうか。

モスターダフの勝利は前がやり合う展開を最後方から突き抜ける形だったので、展開面の恩恵はあったと思いますが…。英国から届いたプレスリリースにはジョン・ゴスデン調教師(息子のタディ氏と共同管理)のレース後の談話が載っていて、そこにはハッキリと、イクイノックスへの畏怖の言葉がありました。「モスターダフは2400メートルは長く、2000メートルの馬。だけど、ドバイシーマCではベストは尽くしました。しかし、あの日本馬はなんてすごい馬なのだろうか」と…。

宝塚記念を前に、さらに大きな存在となった年度代表馬イクイノックス。仁川のターフでどんな走りを見せてくれるのでしょうか。海外に挑戦する日本馬を応援するのも楽しいですが、スターホースたちが日本の競馬場を走ってくれるのも、またうれしいですね。

今朝(木曜朝)も午前5時半に函館競馬場の馬場が開場し、週末に向けて追い切る馬や運動する馬が入っていきました。晴天続きで来ていますが、金曜朝は傘マークも出ていて、土日の競馬に影響はあるのか、気になるところ…。

イクイノックスを擁する木村厩舎は函館にも馬が滞在しています。来週から始まる2回函館開催(3週間)には芝1800メートルの新馬戦も組まれています。木村厩舎の良血2頭、レガレイラ(牝、父スワーヴリチャード、母ロカ)、ベランジェール(牝、父モーリス、母キャリコ)のデビュー戦にも注目です。【木南友輔】