ルメールさん、おかえりなさい! クリストフ・ルメール騎手(45)騎乗のチェルヴィニア(牝、木村)が桜花賞13着から巻き返し、樫の女王に輝いた。勝ちタイムは2分24秒0。

ドバイでの落馬負傷から2週前に復帰したばかりの鞍上は昨年ホープフルS(レガレイラ)以来となる今年初のG1制覇。復帰を後押しした妻らに感謝の意を表した。44歳最後の日を自らの勝利で前祝いした。

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ルメール騎手の鋭いステッキに応え、チェルヴィニアが全身をしならせた雄大なフットワークで桜花賞馬ステレンボッシュに迫る。並んで気持ちが入り、もう1段ギアが上がると桜の女王に抵抗を許さず。一気に半馬身前に出た。

「勝つ自信がありました。G3(昨年アルテミスS1着)のとき、高いポテンシャルを見せてくれて絶対クラシックに行ける、と。直線はすごくいい脚。本当に強いチェルヴィニアを見せてくれました」。彼女の強さを信じ抜き、不完全燃焼の前走13着から見事一変を果たした。

3月末にドバイでの落馬負傷で約1カ月の戦線離脱を余儀なくされ、桜花賞では同馬への騎乗がかなわなかった。鞍上の第一声は「ただいま!」。ファンからの温かい拍手に迎えられ「お帰り」の声に手を振って笑顔で応えた。

「1カ月間、痛み以外にも桜花賞、皐月賞と大事なクラシックシーズンに乗れずフラストレーションがたまっていました」。お手馬の背に自分がいないことにいら立ちを募らせることもあった。その間支えてくれたのが医師、セラピスト、そして、一番の存在である妻のバーバラさんだった。「(ドバイで療養中)大きなサポートをしてくれた。彼女のおかげで元気に乗れました。大事な時にいつもずっと隣にいてくれる。バーバラさん、愛してます」。ウイナーズサークルのインタビュー、たくさんのファンの前で告白した。苦しい時期を共に乗り越えてくれた最愛のパートナーへの感謝は今後も尽きることはない。

来週も大仕事が待っている。ダービーでは牝馬レガレイラとともに世代の頂点を目指す。チェルヴィニア同様、騎乗予定をキャンセルした馬だ。「(17年ソウルスターリング、レイデオロと)同じようにダブルで勝ちたい。大変なレースだけどチャンスはあるから頑張りたい」。昨年G1最多7勝を挙げた優勝請負人にエンジンがかかってきた。

◆チェルヴィニア ▽父 ハービンジャー▽母 チェッキーノ(キングカメハメハ)▽牝3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 木村哲也(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 5戦3勝▽総獲得賞金 2億1519万円▽主な勝ち鞍 23年アルテミスS(G3)▽馬名の由来 マッターホルン山麓の集落の名より