カラメルやモカ味のコールドブリューの缶コーヒーも販売されています
カラメルやモカ味のコールドブリューの缶コーヒーも販売されています

酸味や苦みが少なくマイルドな味わい

 前コラムではアメリカのアイスコーヒー事情をリポートしましたが、今、LAでは「コールドブリュー」と呼ばれるアイスコーヒーが大ブームとなっています。

 コーヒーは通常、熱湯を注いで抽出するものですが、今ブームのコールドブリューはその名の通り、熱を加えずに長時間かけてゆっくりと水で抽出したもの。お湯で作って冷やすのではなく、最初から水で作りましょうと言うのが、コールドブリューなんですね。昔ならではの喫茶店でポタポタと水を落としてコーヒーを淹(い)れる器具を見たことがある方もいらっしゃると思いますが、あのダッチコーヒーと同じ原理なんです。

オシャレな瓶に入っているのも特徴。高級スーパーでは様々な種類が売られているので飲み比べもできます
オシャレな瓶に入っているのも特徴。高級スーパーでは様々な種類が売られているので飲み比べもできます

 12~24時間かけてゆっくり煎(い)れてフィルターで濾(こ)してつくるため、通常のコーヒーよりも酸味や苦みが少なく、すっきりとしたマイルドな味わいが特徴だと言われています。抽出に時間がかかっている分、カフェインは普通のコーヒーよりも高めですが、雑味やエグミがなく、コーヒー本来の香りや味が楽しめます。

注目のサードウエーブ次の動き

 アメリカでは数年前から新鮮な豆を産地から直輸入して、それぞれの豆の特徴に合わせた焙煎と抽出を追求し、1杯ごとにハンドドリップで淹れるサードウエーブと呼ばれるコーヒーブームが起きています。このコールドブリューはその次の動きとして注目されています。熱湯で淹れるとどうしても苦みや酸味が出すぎてしまいますが、この方法では甘味を感じる人も多いようで、より自然なおいしさを楽しめる究極のアイスコーヒーと言えます。

ポートランド初のサードウエーブのお店「スタンプタウン」のコールドブリューは人気が高いので試してみる価値あり、です
ポートランド初のサードウエーブのお店「スタンプタウン」のコールドブリューは人気が高いので試してみる価値あり、です

 高級食材を扱うスーパーでは「スタンプタウン」などサードウエーブを代表する名店の瓶入りや缶入りコールドブリューコーヒーがたくさん並び、ブルーボトル・コーヒーなど人気店でもそれぞれの味を楽しむことができます。さらに、大手スターバックスもコールドブリューの販売を始めたことで一気に人気に火がついてきました。ブラック派はそのままストレートで飲むのがオススメですが、スーパーにはアーモンドミルク入りやハーフ&ハーフ(牛乳と生クリームが半分ずつ配合されたミルク)と混ぜたコールドブリューやモカ、カラメル味なども売られています。こちらはどちらかというとコーヒーと言うよりも高級なコーヒー牛乳という感じがしますが、コーヒーがあまり得意でない人や甘い味が好きな人にはオススメかもしれません。

カフェでもコールドブリューが飲めるお店が増えています
カフェでもコールドブリューが飲めるお店が増えています

 人気ブランドの瓶や缶入りは5ドル前後から高いものでは10ドル超えもあり、ちょっと高級ですが、ネットでは自宅で簡単に作れる方法もいろいろ出ているようなので、コーヒー好きの方はぜひ試してみてはいかがでしょう。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)