遠くから見ると岩のように見えますが実はこれ砂でできているんです

ネイチャー天国アウトドア大好き

　ロサンゼルスの魅力は何と言っても雄大な景色を気軽に楽しめること。海も山も砂漠も湖も…どこにでも２時間ほどクルマを走らせれば目的地に着いてしまいます。そのため、LAの人たちはアウトドアが大好き。夏はキャンプに海やレイクでのマリンスポーツ、秋から春にかけては山や砂漠をハイキングするなど、年間を通じて様々なアウトドアライフを楽しんでいます。アメリカ人はパスポートを持っている人が他の先進国に比べると極端に少ないと言われていますが、身近にこんな自然があれば海外旅行に行く必要がないのかも?!　って思うほど、ここはネイチャー天国です。

ラスベガス近郊にもレッドロック・キャニオンと呼ばれる場所がありますが、そちらは国立保護区でカリフォルニアの州立公園とは別ものです

２時間ちょっとで大砂漠

　西海岸の自然と言えばヨセミテやグランドキャニオンなどの国立公園が有名ですが、どちらもLAからは車で６～８時間くらいかかるので、気軽にと言うわけにはいきません。でも、そんなにロングドライブをしなくても、LA近郊には日帰りでも十分に楽しめる州立公園がたくさんあり、大自然を気軽に満喫することができます。しかも、日本では見ることができないような規模の砂漠を散策したり、夜は満天の星を観賞しながらたき火を楽しんだりと、本格的なアウトドアが手軽に楽しめちゃいます。

まるで柱のように見える壁は圧巻

映画ロケ100本以上

　中でもオススメは、車のテレビCMやハリウッドの西部劇などでおなじみの景色が楽しめるレッドロック・キャニオン州立公園。LAの中心地から北に２時間半ほどで行けます。名前の通り、ここでは赤い岩が特徴。砂岩が壁のようになっており、遠くから見るとまるで柱が組まれた建築物のように見え、圧倒されます。長い年月をかけて雨風で削られた崖や岩は、時間帯によって赤や白だけでなく、オレンジやピンク色の地層が光に映し出されてとってもキレイです。砂漠に突如現れた色彩豊かな岩肌は、この世のものとは思えない独特の雰囲気があり、30～70年代にかけて100本以上の映画がここで撮影されたそうです。

天文愛好家や古代生物学者らが集まる

　園内にはハイキングコースがいくつかあるほか、キャンプグラウンドもあり、日中はピクニックなどもできます。近郊には大きな町がまったくないので、夜になると真っ暗になり、LAでは見ることができない美しい夜空が現れます。そのため、ここは天文愛好家らも頻繁に通う場所のようです。さらに、崖の堆積層には先史時代の動物の残骸が残されているそうで、古代生物学者たちも集まる場所なのだと言います。

赤い砂岩は時間帯によって様々な色合いを見せ、多くの写真家を惹きつけています

かつては湖の底でした

　赤い崖、砂漠、砂岩、砂漠に生息するジョッシュアツリーと、どこを切り取っても絵になるレッドロック・キャニオンですが、かつてここは湖の底だった時代があったそうです。それが何万年もの歳月の中で地殻変動や突起が繰り返されて今の地形になったそうで、それゆえにとっても奇異な光景を楽しむことができるのです。LA近郊は、まだまだオススメの自然がいっぱいです。次回のコラムでは、山と湖を紹介したいと思います。（米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も）