「ザ・ラスト・ブックストア」の入り口は通常の書店とは思えないどこか風格がありますね
「ザ・ラスト・ブックストア」の入り口は通常の書店とは思えないどこか風格がありますね
天井から虫メガネがぶら下がっていたり、古い家具や蓄音器があったりと本屋さんとは思えない雰囲気です
天井から虫メガネがぶら下がっていたり、古い家具や蓄音器があったりと本屋さんとは思えない雰囲気です

その名はザ・ラスト・ブックストア

 電子書籍の普及で書店に行く機会がめっきり少なくなったなんて人も増えている世の中ですが、ロサンゼルスには知る人ぞ知るとってもユニークでレアな本屋さんがあります。その名もズバリ「ザ・ラスト・ブックストア」。

昔銀行だった建物を改装しているため、金庫室もあります。ランプに照らされた金庫室の中にも古本がズラリ。中で座って本を読むこともできます
昔銀行だった建物を改装しているため、金庫室もあります。ランプに照らされた金庫室の中にも古本がズラリ。中で座って本を読むこともできます

1ドルから25万冊超レア本も

 ネットで本を注文したり、電子書籍を利用する人が増える時代のまさに最後のブックストアと言う皮肉を込めてネーミングされたお店なんだそう。歴史的な建築物が立ち並ぶダウンタウンのヒストリックエリアにあるラスト・ブックストアは、書店と言うよりもミュージアムのような雰囲気。吹き抜けの広い2階建ての店舗には、1ドルの古本から1冊500ドルもする人気作家の超レアな初版本まで様々なジャンルの25万冊もの本が所狭しと並んでいます。

本棚のディスプレーだって、こんなにオシャレ。まるで古書を使ったアート作品のようですね
本棚のディスプレーだって、こんなにオシャレ。まるで古書を使ったアート作品のようですね

銀行だった建物を改装

 元々ネットで様々な商品を販売していたオーナーが、一番好きだったという古本を扱う書店をLAにオープンしたのが2005年。地元の人たちが次々と本を売りに来て瞬く間にビジネスを成功させ、2011年に昔銀行だった建物を改築した現在の場所に移転し、知る人ぞ知るユニークな本屋として人気を博しています。

25万冊もの本がありますが、ジャンル分けされており広い店内を散策するだけでも楽しめます
25万冊もの本がありますが、ジャンル分けされており広い店内を散策するだけでも楽しめます

内装がとってもユニーク

 お堅い本からコミックや小説、写真集、絵本、料理本などジャンルの多さもさることながら、古本を使ったユニークなディスプレーやオブジェなど内装も人気の秘訣。銀行だった建物だけあって当時の金庫室も残されており、古書が並べられた中は秘密の図書館のような作りになっています。ほかにも古本を積み重ねて作った会計カウンターやアーチ型に本を並べて作った本のトンネル、本の配置で丸い穴を作った本棚…などなど、内装を見て回るだけでも訪れる価値が十分あります。

本だけでなくレコードも販売しています
本だけでなくレコードも販売しています

不思議の国に迷い込んだような

 特にオススメなのが、「ラビリンス(迷宮)」と名付けられた2階スペース。その名の通り、迷子になりそうな入り組んだディスプレーは、不思議の国に迷い込んだ気分で散策するだけでもワクワクしてきます。映画の都だけあり、映画関連の書籍や原作も多数扱っています。村上春樹など外国語の本もたくさんあります。古いソファーがいたる所にあるので、散策に疲れたら座ってゆっくり読書を楽しむこともできます。

凝った内装と展示はまるでミュージアム
凝った内装と展示はまるでミュージアム

これで本好き間違いなし

 初めて訪れたなら「こんな本屋さん、見たことない!」と感動すること間違いなし。世界でも類を見ないとっても面白い書店なので、LAを訪れた際にはぜひ足を運んでみてください。本って読むだけでなく、こんな風にアートにもなるんだと思うと、書店の概念が覆されて本好きになるかもしれませんよ。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)

古書で作られた「本のトンネル」は記念撮影スポットとして人気です
古書で作られた「本のトンネル」は記念撮影スポットとして人気です