これが話題沸騰中の「レインボー・ベーグル」(お店のインスタから)
これが話題沸騰中の「レインボー・ベーグル」(お店のインスタから)

 ニューヨーカーの間で話題沸騰中の「Rainbow Bagel(レインボー・ベーグル)」が、今や世界中で旋風を巻き起こしている。あの天才シェフ、ドミニク・アンセル氏による伝説のスイーツ「クロナッツ」以来のフィーバーぶりだ。ヒップなウィリアムズバーグにある「The Bagel Store(ザ・ベーグル・ストア)」には連日、朝8時から長い列ができているという。レインボー・ベーグルの味を確かめたくなり、先週末の日曜の朝に買いに行ってみた。

お店の前に並ぶ人々。1ブロック分ほどの長い行列が続いていた
お店の前に並ぶ人々。1ブロック分ほどの長い行列が続いていた

お店は全部で2店舗あるが、ウィリアムズバーグのど真ん中ベッドフォード・アベニュー駅前にあるお店が、改装のため一時閉店すると発表されたばかり。このため、同じくウィリアムズバーグの2駅先にある、もうひとつのお店を訪れた。午前11時すぎにお店の前に着いてみると、5~6人が並んでいるだけだったので、拍子抜けしてしまった。

 レビューサイトなどによると、朝8時ぐらいだと並ばなくても買えるらしいが、それ以外は45分~1時間待ちも当たり前らしいので、この日は超ラッキーだった。凍りつきそうな寒さの中でも連日、朝から長い列ができていたらしいが、この週末から暖かくなったので、お天気にも恵まれた。私が買い終えた後ぐらいから、1ブロック分ほどの長い列ができ始めていて、タイミング的にもバッチリだった。

ここで注文。小さな昔ながらのベーグル屋さんといった感じ
ここで注文。小さな昔ながらのベーグル屋さんといった感じ

 10分ほど並んだ後、お店の人の指示で待っていた人たち全員が店の中へ。店内は小さく、ベーグルを売るカウンターと全部で6席ほどの窓際のカウンター席のみ。すでに注文を待つ人たちで混雑していたが、店に入って5分ほどで注文できた上、カウンター席でコーヒーとともにベーグルを食べることもできた。レインボー・ベーグルだけが売り切れてしまい、他の色つきベーグルしか残らないことも多いらしいが、この日は逆のパターン。レインボーが余裕で買えて、他の色つきベーグルが全部売り切れていた。

なにげなくケースの中にある“うわさの”レインボー・ベーグル
なにげなくケースの中にある“うわさの”レインボー・ベーグル

予定では、レインボー、コットンキャンディ、レッド・ヴェルベットの3種類の色つきベーグルを1個ずつ買うはずだった。特にカワイイ色合いのコットンキャンディを楽しみにしていたのだが、仕方なく、レインボー2個をゲット。クリームチーズは、レインボーに一番合う味ということで狙っていたファンフェッティが売り切れていたので、ストロベリーにした。クリームチーズはプレーン、ブルーベリー、オレオクッキーなど6種類ほどあったようだ。

ついにゲットしました。日本の皆さん、この色どうですか?
ついにゲットしました。日本の皆さん、この色どうですか?

レインボー・ベーグルはズバリ、バブルガムみたいなお味(w)でも、甘みはそれほど強くない。カラフルな色を除いて、それほど特別ではないが、やはり、クリームチーズと合わせると、特有のフレーバーが出て、おいしくなる。

お店のオーナーはブルックリン育ちのイタリア系ユダヤ人、スコット・ロッシロ氏。20年ほど前からレインボー・ベーグルのアイディアを温めていたが、10年以上前に初めて売り出した時は、あまり売れなかったらしい。昨年6月、米連邦最高裁が同性婚は合憲であるとの歴史的な判決を下したのを機に、ゲイのシンボルカラーであるレインボーということで、一気にブレークしたというから、やはりタイミングが大事だ。

中もレインボーカラー。スプレッドはストロベリー・クリームチーズで
中もレインボーカラー。スプレッドはストロベリー・クリームチーズで

 話題の「The Bagel Store」はまったくトレンディなお店ではなく、むしろ、さびれた感じのベーグル屋さんだった。ベーグルは1個3.95ドル(約440円)、クリームチーズを塗ると1個6.65ドル(約750円)と、普通の倍ぐらいする。正直、この値段の価値はないと思うが、ベーグルファンなら、一度は食べてみたくなる。なにしろ、文化的現象ともいえるほど大ブームなのだ。ロンドンのどこかの店でもレインボー・ベーグルを売り始めたとのことなので、いずれは東京にも上陸するのではないかと踏んでいる。(米ニューヨーク在住・鹿目直子。写真はインスタをのぞくすべて)

【お知らせ】このニューヨークからのコラムは今回をもちまして終了します。長い間のご愛読ありがとうございました。