清流に春の訪れを告げる渓流釣りが関西の主要河川で解禁になった１日、和歌山・日高川龍神地区にヒレピンの美形アマゴを求めて釣行した。早朝から大熊に入川。前夜から降りだした雨で水温低下の食い渋りを心配したが、想像以上にアマゴの反応が良く活発なエサ追いが続き、正午前までに１３～２６・５センチを６０匹釣りあげた。数、型ともに大満足の解禁日となった。

　食い渋りの不安を消し去る、アマゴの乱舞だった。待ちに待った解禁日、「食堂松阪」（日刊銀鱗倶楽部加盟店）の松阪正澄さんに「上流の大熊が魚も見えていて期待出来る」と情報をもらい、車を走らせた。

　午前６時半、小雨の降る中かめたに橋から約１キロ上流の山道から入渓。水位は約１５センチ高で、濁りはないが雨の影響で水温の低下による食い渋りが気になる。

　瀬の流れ込みが左岸の岩盤に当たったふちから始める。まずは手前の流れにＧ２のオモリをハリ上２０センチに打ち、生イクラを３粒刺した仕掛けを入れる。底波をとらえゆっくりと流れだすと目印がスッと水中に入るアタリ。合わせを入れタモに飛ばしたのはヒレピンの１８センチ、ぽってりとしたコンディションの良いアマゴだ。同じ筋を流すと１６センチが３連発、心配していたが魚の活性は良いようだ。

　次はオモリＧ１を追加し、流シンよりの流れを攻める。底流れをとらえゆっくりと流していくと目印がふっと止まった。素早く合わせを入れるとグンとサオに重みが乗り、魚体をクネらせ抵抗する。豪快に引き抜くと水面を割って飛び出したのは幅広の２６・５センチ。大型に思わずニンマリ。

　さらに、イクラのにおいでアマゴの活性があがってきて次々とアタリが続き、このポイントだけで１３～２２センチを２４匹追加。同８時半ごろ、５匹追加後に場所を移動した。

　解禁が日曜日とあって釣り人が多く、車を走らせながらポイントを探す。同９時すぎ、朝のポイントから５００メートル下流で１４～２１センチを１１匹追加。

　続いてかめたに橋から３００メートル下流に降り、適度な流れの瀬脇やふちを攻めて１３～２４センチを１５匹追加し、正午前に納竿。計６０匹の釣果に事前の心配も吹き飛び、気分上々の解禁日となった。【日刊ＦＰＣ・下田成人】

　【今後の見通し】魚影濃く、終盤まで楽しめそう。これからは川虫をエサに大型が狙え、増水後の引き水が数釣りの狙い目。源流は４月下旬頃から面白くなりそうだ。

　【問い合わせ】食堂松阪【電話】０７３９・７９・０２５９。年券５４００円、日券２１６０円。生イクラ・川虫の購入は要確認。同食堂の松阪正澄さんが、現地の情報に詳しい。

　【交通】阪和自動車道の有田ＩＣを有田・金屋方面に出て県道２２号、国道４２４号、同４２５号、同３７１号を経由して龍神温泉方面へ。温泉トンネルを抜けると右側に同食堂。同ＩＣから約１時間半。