内房・金谷(千葉)の沖磯が開幕! 同地区「岡澤釣具店」による沖磯への渡船がおよそ半年ぶりに再開され、クロダイ&メジナの好釣果が連発している。クロダイは一部で乗っ込み気配があり現在、実施している「2015日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」磯&釣具店ブロックの予選会も期待大! 先日、日刊釣りペン・クラブの磯釣りマン、鵜沢政則さん(64)がアタック。実釣ルポでお届けしよう。

 鵜沢さんが選んだ釣り場は、南側の「平島」だ。風が北東ということで二間島向きにサオを出す。潮温はまだ13度台しかなく、おまけに底が見えるほど澄んでおり条件は不利だが、付けエサ(オキアミ)がしっかり入るようにジンタンを2個セットした<システム2段ウキ仕掛け>で20メートルほど沖に投入。ウキ下は海藻の上スレスレの5メートル余り…。

 潮時は下げで、午前8時半ごろだ。海面下に見えるウキがフワ~と動き、続いて、サオがギュギュンッ! これが43センチのクロダイで、およそ2時間後、今度は陸向きで立ちウキ仕掛けを使い攻めていた宇畑弘二さん(49=千葉県鎌ケ谷市)にヒット、こちらも40センチ余りの良型だった。

 ここからエサ取りが激しくなり、代わって食いついたのがメジナだ。サイズは35センチ前後が多い。この日、潮止まりは午前11時半すぎで、鵜沢さんが「クロダイは上げ潮に変わってから食いだすな」とポツリ。果たせるかな、午後1時20分すぎにラインがスーッと微妙に張った。最初のポイントよりやや先でタナは6メートル以上と深い。少し間をおいて合わせるとサオが絞り込まれ、黒光りしたクロダイが躍り上がった。サイズは40センチ弱だ。

 鵜沢さんは午後2時10分ごろに1匹を追釣して計3匹を仕留め、「潮温が低すぎて食いは渋かったが、銀ピカのクロダイは乗っ込み状態を示す」という。

 春の乗っ込み期を控えたクロダイは産卵準備で館山方面から北上してくるが、最初に「ビッグママ(大型クロダイ)」が入り込む。今年、「岡澤釣具店」で沖磯の渡船をスタートさせたのが2月28日で、それを裏付けるように初日にいきなり50センチが釣れて、3月は5日に52センチ、重量で2・8キロもあるビッグワンが出ている。また、メジナも侮れない。3日に42センチが掛かり、6日はトップが13匹を収めた。今後について鵜沢さんは「潮温が15度以上になればチャンス」と話す。これからがアツい!【長瀬川忠信】

<鵜沢流攻略のヒント>

 ◆潮況に応じて攻め分ける 潮が澄んでいるとき、クロダイは底近くにいるので、タナは深めに取り、コマセは白系が目立ち、沈みが速いものにする。逆に濁っていればタナは浅めで、コマセは赤かピンク系がベース。エサ取り対策も必要で、足元かウキの周りにまいてエサ取りを集め、潮上にも投入し潮流れに乗せ、帯状につながるようにして本命魚を誘う。エサが取られなくなったら本命魚が寄っている証明だが、それでも、エサ取りが多い場合、投入ポイントをズラすのも方法。要は<ヒットゾーンをつくるために粘る>のがキモ。

 ◆風対応も考える この時期は強風の日が多い。内房では棒状の立ちウキを使う人もいるが風の影響を受けないようにサオ先を海面近くまで下げたり仕掛けも沈みやすいものを使う。

 金谷の沖磯は、初期に大型のクロダイが入り込み、4月以降は40センチクラスが主力で、ゴールデンウイーク(GW)前後に再び大型が回ってくるが、ここ数年、ダラダラ乗っ込み傾向が強く、ロングランで楽しめる可能性もあり!

 ▼問い合わせ 日刊スポーツ新聞社指定「岡澤釣具店」【電話】0439・69・2232。沖磯の渡船は予約制で午前5時集合、渡船は午前6時から、料金4000円。詳細は要確認。HP<http://www.koushin-group.jp/isotop.html>

 ▼交通 電車はJR内房線・浜金谷駅から徒歩約8分。車の場合は、富津館山自動車道・富津金谷インターから国道127号に入って金谷漁港を目指し、左手に「岡澤釣具店」がある。