徳島・鳴門市堂ノ浦で上向いてきたチヌを狙い、6月22日、同所の「細川渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)のカセに渡った。午前5時から午後3時すぎまで釣り、22~41センチのチヌを23匹と42センチのマダイ。小潮で流れは鈍かったが小潮や長潮は1日中ぽろぽろと釣れ続くことがよくある。中・小型チヌが多く型に不満は残ったが、終日退屈せずに楽しめた。

 堂ノ浦でのチヌの数釣りを堪能した。午前5時前、11号カセに上がり、まずはダンゴを練ってアンコ入りを10個沈める。それから仕掛け作りなどをするのだが「ダンゴを投入してから仕掛け投入までのインターバルが重要だ」と細川渡船・高橋船頭は言う。最短でも1時間は空けることで、魚に安心してまきエを拾わせることができ、ポイントの活性を高めるそうだが、気がせく釣り人としてはそんなには待てない。

 同6時前に第1投。すでにボラが寄っていてダンゴをつつく。水深は約12メートル、水温は21度。潮は澄んでおり、干潮前で、下げ潮の名残がゆっくり小鳴門水道方向へ流れる。

 同7時半ごろ、オキアミをエサにしての1匹目は23センチ。「小さい」とぼやきながらも、ボラのスレやエサ取りなど、さまざまなアタリの中から、チヌのアタリという正解を導き出したので、心の中はまんざらでもない。

 30分後の25センチもオキアミだったが、この頃から潮が動かなくなる。エサ取りが活発になり、刺しエをネリエ、サナギ、コーンとローテで使うが空振り続き。ボラのスレにだまされ、引っ掛けることもしばしばだ。

 同10時ごろから、ようやく込み潮が堀越橋方向へ。さほど強くはならず、4Bオモリで底が取れる。

 同11時ごろ、ネリエを刺しエにしたダンゴが割れ、仕掛けが流れ始めるとモゾモゾしたアタリ。合わせると、その引きの強さから良型チヌと確信。取り込んだのは、この日最大の41センチだった。

 その後も、間遠くはあるが釣れ続く。42センチのマダイやキビレ交じりに、午後からはサナギとコーンでポツポツと匹数を稼いだ。午後3時すぎ、潮が緩み、まだまだ追加できそうだったが、ダンゴがなくなったのでサオを納めた。計23匹。サイズに物足りなさはあるが、チヌの数釣りは十分楽しめた。【日刊FPC・堀康一郎】

 【エサ】ダンゴは細川渡船常備のオケ1杯の山土を付属のサナギ粉、洗面器1杯強の海水でドロドロにし、しばらくなじませた後、渡船店オリジナル配合材(要予約)を洗面器こんもり1杯入れてよく混ぜ、しっとり気味に仕上げた。1日に2セット使用。アンコには「激荒」を使用。

 【今後の見通し】筏(屋形)、カセともに、産卵後の体力を回復したチヌが活発になるのでこれからが本番。良型交じりの数釣りが期待できる。エサはサナギ、ネリエ、コーンなど。

 【問い合わせ】細川渡船【電話】090・3180・3960。渡船料金は筏(屋形)1人4000円、子ども2000円(小学6年まで)。カセは2人まで1万800円。屋形は23基、カセは11基設置。出船時間は日の出前。

 【交通】神戸淡路鳴門自動車道・鳴門北ICを出て鳴門市街方面へ。ボートレース鳴門前を左折。県道42号に入り、3軒目のローソン先の明神の信号を右へ。同182号に入り堂ノ浦へ。