アユの匹数を競う「平成27年度GFG(がまかつファングループ)杯争奪全日本地区対抗アユ釣り選手権大会」(後援・株式会社がまかつ)が27日、福井・九頭竜川中部地区で、各地区予選を勝ち抜いた39選手(GFGレディース、がまかつレディース含む)が参加して行われた。午前11時20分からの決勝戦は10選手で戦い、昨年のG杯王者・土屋直史選手(東海地区)が15匹(オトリ2匹含む)を追わせ、初参加で初優勝を果たした。団体戦は関西地区が優勝した。

 優勝への道筋が、見えていたのかもしれない。2位にわずか1匹差で、土屋選手が初参加初優勝。オモリをつけてオトリを沈める引き釣りで、次々とアユを追わせた。

 3組に分かれた予選Bグループをトップタイで通過すると、決勝戦では五松橋下流に入った。水量は10センチ高、濁りなし。押しの強い九頭竜川の流れにも負けず、深場に立ち込み、攻めた。掛けてもバレることが続くと、回転するよう工夫した3本イカリなどで着実に掛けた。

 前日、初めて九頭竜川に来た。3時間ほど試し釣りをして、19匹を追わせた。そのとき、大きな石が入っていて、深さもあるポイントを見つけた。そこが決勝戦で選んだ場所だった。「(アユが)掛かる筋が見えたんで、その筋だけを徹底的に狙いました。(増水のため)前日にやっとサオを入れられたところで、サオ抜けポイントでした。あそこを見つけられなかったら、あちこち動いてダメだったでしょうね」。

 昨夏の「G杯争奪全日本アユ釣り選手権」で初優勝。周囲からの勧めもあって、今年からGFGに入会した。今大会は初参加だったが、東海地区予選では全国出場権がない次点の4位。上位者が辞退したため全国大会のキップが回ってきた。その幸運を生かしきっての初出場Vだった。

 G杯とGFG杯の連続優勝は、高校野球でたとえれば、夏の選手権と春のセンバツを連続で制するような快挙だ。土屋選手は「大きな川に行って楽しむのが好き。大きなアユを釣るのが楽しいですね」と笑う。優勝の余韻に浸る間もなく、早くも8月2~4日には岐阜・益田川でG杯が行われる。土屋選手は「益田川も大きいのが釣れると聞いています」と腕をぶす。ディフェンディング・チャンピオンとして今度は“夏”連覇に挑む。【高垣誠】

 ◆土屋直史(つちや・なおし)1974年(昭49)5月5日生まれの41歳。静岡県裾野市在住。会社員。アユ友釣り歴12年目。トーナメント出場歴は9年。今年からGFG東海に所属。ホーム河川は神奈川・酒匂川、静岡・狩野川。