今年もそろそろタチウオのシーズンだ。7月26日、大阪・泉佐野の乗合船「上丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)に乗り神戸沖へ出た。シーズン序盤でアタリが小さく、釣果はまだ1人平均5~6匹だが、船中60匹。サイズは90~100センチとまずまずの型がそろった。筆者も90センチ前後を5匹。同船に初乗船の中村宏之さん(和泉市)は115センチの大型を仕留めるなど5匹を釣り上げた。序盤から今季の好調さを予感させる釣行となった。

 今季もタチウオはイケる。そんな確かな感触をつかんだ。午前5時半、すっかり明るくなった泉佐野食品コンビナートを後にして、神戸沖へ向かった。漁場はすでに20隻ほどの乗合船とプレジャーボートがひしめいていた。

 前日までの台風の影響かあまり潮の色は良くないが、今年初のタチウオはどんな反応を見せてくれるのか? 胸をワクワクさせながら冷凍イワシをテンヤに巻きつけ準備する。同6時半過ぎ、船長の「(タナは)60メートルくらい。やってー!」の合図で1投目。緩やかに下り潮が流れる。着底後、シャクリをいれながら仕掛けを2メートルほど巻き上げてアタリを待つ。反応がないのでゆっくり誘いをかけ、もう2メートル巻き上げて待つと「コツ!」という本命からの反応に合わせる。すると一瞬サオが大きく弧を描き、止まる。やった! 強烈な締め込みを何度かかわし釣り上げたのは、肉厚の90センチ級の良型タチウオだった。

 すると時合か、船内が一気ににぎやかになり、同型のタチウオが上がり始めた。筆者も続けて同型を4匹追加。同11時ごろ、上潮が滑り出して2枚潮になり、あちこちで仕掛けがオマツリになる。船長の判断でポイント移動したが、タチウオの反応はあるもののアタリが少ない。根気よく誘いをかけ、小さなアタリを取ってポツリポツリと掛けるが、掛かりが浅いのか途中で外れてバラしてしまう。

 午後0時半ごろ、筆者の後ろで「テンヤ釣歴半年でタチウオ釣りにはまり、上丸は初めて乗船しました」という中村さんのサオが、大きく弧を描いた。隣の友人に助けてもらい取り込んだのは、この日最大の、(体高が)指5本を軽く超える115センチの大型タチウオだった。その後、風波がひどくなったため、同2時に納竿。しかし、これからのタチウオ・シーズンに手応えは十分。満足して船を下りた。【日刊FPC・多田正人】

 【今後の見通し】これから秋に向かいタチウオは本番を迎える。底付近を探ると大型のアタリを取れる確率が高く、130センチを超えるドラゴン級や、数も狙えるようになる。昨年のように150センチ超のビッグサイズや、潮や条件がそろえば60匹以上の爆釣も期待でき、肉厚のタチウオの豪快な引きを堪能できる。

 【問い合わせ】上丸【電話】090・8383・6633。乗合船料金は1万円。出船は午前5時半、納竿は午後3時。エサ、氷付き(船内にも十分にあり、補充も可能)。

 【交通】阪神高速湾岸線の泉佐野北出口を出て住吉町の信号を右折。突き当たりを左折。「おさかなはうす」を過ぎてから右折し、北中通漁協内の乗船場へ。