日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催の「2015 月桂冠杯 三重・尾鷲磯グレ釣り大会」が11月29日、三重県尾鷲市梶賀の磯で行われ、40人が参加してグレの1匹長寸(25センチ以上)を競った。ベタなぎで潮が動かない厳しい条件下で、直下の磯で45・3センチの良型グレを仕留めた上田学さん(大東市)が優勝。また、最多匹数を競う「月桂冠賞」は、7匹を釣り上げた永尾福也さん(東大阪市)が受賞。44センチのチヌを釣った富永眞一郎さん(鈴鹿市)が他魚種賞を獲得した。

 午前6時すぎ、参加者40人は3隻の船に分乗し、梶賀漁港を出発。各磯に乗り、午前7時前ごろから各自サオを出した。

 釣り始めは上げ潮だが、ベタなぎであまり潮が動いている様子はない。記者は「三宅」に渡礁した参加者を取材。それぞれが沖向きに釣り座をとり、仕掛けを投入。釣り座手前からすぐが水深10メートル前後と深く、大物が狙える磯だ。だが、まきエ(オキアミボイル)をするとタカベなどのエサ取りが水面付近に殺到する。まずはそれをかわしながらの戦いとなった。

 井上一夫さん(大阪市)は、約20メートル遠投。7時45分ごろ、タナ4ヒロでのアタリに合わせた。大きくサオを曲げて取り込んだのは、本命ではないものの、42・3センチのイスズミ。「キタマクラとかのエサ取りに何度やってもやられるので、遠投しました」と笑顔を見せた。

 同8時すぎ、同磯の左端で釣っていた中村治さん(和歌山・すさみ町)が25センチ級のグレを釣り上げた。その後潮が止まり、しばらくアタリが遠のく。

 再びサオを曲げたのも中村さんだった。同9時半ごろに35センチのチヌを釣り、さらに10時前にも30・9センチの本命グレをキャッチした。実は9時ごろにも大きくサオを曲げていたが、取り込む最中に沈み根に潜り込まれ痛恨のハリス切れ。「40センチ級だったのでは」と悔しがっていただけに、少し留飲を下げた。

 晴天の下、午後1時の納竿までそれぞれがサオを振った。全体的に潮が動かず食い渋った中で、早い時間帯に仕留めた人たちを中心に、参加者40人中、半数の20人が釣果をあげた。40センチ超の良型も2匹出るなど、盛況のうちに大会は幕を閉じた。【高垣誠】