産卵期の大型ヒラメを狙って4日と5日、三重鳥羽・石鏡港の「三幸丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で釣友2人と石鏡沖に出た。イワシをエサにした飲ませ釣りで挑戦。初日は潮が動かず惨敗。2日目もヒラメの食いが渋く苦戦したが、大きめのエサでアピールするなどして何とか40、45センチを釣りあげた。3人で2日間40~45センチを9匹の釣果に終わったが、同日、漁で4キロ級のヒラメが2匹あがっており、産卵期での大型に期待が高まる。

 5日午前6時半ごろ、石鏡沖に入った。前日、釣果がなかったので、今度こそ大物を仕留めようと気合が入る。水深は61メートル、底は砂地で岩礁帯が点在するヒラメ好みのポイントだ。ただ、下げ潮の動きは鈍い。

 左舷船首に入り、里中船長の合図で開始。大きめのイワシを選び、親バリを上アゴの固い部分に、孫バリを腹に(できるだけうろこを落とさないよう素早く)刺す。オモリ60号の胴突き仕掛けを底まで落とし、着底後、素早く底ダチし、根掛かりに気を付けながら上へ50センチほどの間を誘う。

 同7時すぎ、左舷トモで釣友の南康弘さん(泉佐野市)が40センチのマハタを釣りあげた。その直後、筆者のサオでイワシが暴れだし、ガツガツとヒラメ独特のアタリ。食い込むのを待ってから合わせを入れ、取り込んだのは40センチ級。待ちに待った本命にホッと一息だ。右舷船首でも、同伴者の中村和嗣さん(大阪市)が42センチをゲット。時合かと思ったが、すぐに潮止りを迎え、アタリも遠のいた。

 そこで沖へ移動。水深20~30メートル、底は岩礁帯で大型が狙えるポイントだ。上から落ちてくるものに敏感なヒラメに対し、ひと流しごとにエサを替え、元気な生きエサでアピールする。

 上げ潮がいい感じで流れ出した同10時半ごろ、置きザオの先がドンと一気に曲がりゴンゴンと大きなアタリで海中へ。慌てて引き上げに掛かるがフッと重みが消え痛恨のバラシ。だが大物の気配でがぜんやる気が出てきた。同11時半ごろ、また本命アタリ。慎重にタモ入れしたのは肉厚の45センチ。

 その後、南さん、中村さんが40センチ級を1匹ずつ追加したが、結局、大物は姿を見せず、午後0時半ごろに納竿。2日間3人で40~45センチのヒラメ9匹と潮に恵まれず、やや不満の残る釣果。港に帰ると「沖の同じ筋で漁をしていた漁船で4キロ級が2匹網に掛かっていた」との情報。ますます痛恨のバラシが悔やまれた。【日刊FPC・多田正人】

 【今後の見通し】本格的に産卵期を迎えると4月上旬まで浅場で70~80センチが狙える。潮は速い方がよい。エサのイワシはアピール度が高い大きめを選び、仕掛けもカラーシンカーを使用するとよい。

 【問い合わせ】三幸丸【電話】0599・32・5604。乗合船料金は1人1万2000円(エサ、氷付き)、出船は午前便が午前6時ごろ、午後便は午後0時半ごろ。素泊まり3000円。

 【交通】近鉄・鳥羽駅下車、バス、タクシーを利用。車は大阪から名阪国道、伊勢自動車道、伊勢二見鳥羽ラインを経由、鳥羽I・C交差点から国道42号へ、鳥羽駅を過ぎて同167号へ入り、安楽島大橋を渡り県道750号から、同128号(パールロードシーサイドライン)へ入り、約20分走り、石鏡漁港へ。