海産アユの追いが本格化してきた和歌山・有田川に8月25日、数釣りを楽しもうと釣行した。午前9時半ごろから二川ダム下流の川口地区・あかつきの瀬に入り、止め泳がせ釣りで攻めると追い星くっきりの野アユが目印を飛ばす激しいアタリで出迎えてくれた。トロ場や水深のあるポイントでは良型がサオを絞り、午後4時半すぎまでに14~20・4センチを63匹。今年は遡上(そじょう)、成育が遅れたが、ようやく追うスイッチが入ったようだ。

 午前9時半ごろ、川口地区のあかつきの瀬に入った。まずは瀬の中段から始める。オトリを送り出すと2メートルほど進んだところで目印がビューンと対岸に吹っ飛ぶ。タモに飛ばすと鼻のとがった15センチ、追い星くっきりの海産アユだ。幸先よくオトリが替わり、入れ掛かりの予感。

 流シンにオトリを入れ引きながら探っていくが反応がない。そこで石の頭にオトリを止めるとガツン、ギュイ~ンと一気に下る。尾ビレまで真っ黄色の17センチだ。波立ちや石周りで止めて少し待つ。そのパターンで攻めると6連発の入れ掛かり。オトリを動かし過ぎない方が良いようだ。14~16センチを7匹追加し、反応がなくなったので約100メートル上流の瀬落ちに移動した。

 ここは流れの真ん中に大岩があって二股の瀬に分かれ、右岸は淵、左岸は岩盤の深瀬になる。落ち込みの白泡の中にオトリを引き込むと間髪をいれず目印が視界から消える。サオを立てるとグイグイと底に突っ込み絞ってくれる。じっくりと浮かせ引き抜いた。体高のある20・4センチの良型だ。

 同11時ごろ、釣り上がり大岩の上のトロ場に移動。上飛ばしで攻めたいところだが、引き舟の中を見るとオトリが高水温で変色し元気がない。しかし、手前で縄張り争いをしている野アユが見えており、サイトフィッシングで1匹ゲットできた。「よしっ、これでいける!」とオトリを交換するとスイスイと上流に泳いでいくが反応がない。

 そこでラインにテンションをかけ少し止め気味でスローに泳がすと目印がククッ、ギュ~ンと上に走る。今日は瀬もトロ場も速いと反応しないようだ。

 正午前までに28匹で昼食。午後からは白石の瀬まで釣り上がり、同パターンで攻めると活発な追いが続き35匹を追加。遠くで雷の音が聞こえ始めた同4時半すぎに納竿とした。【日刊FPC・下田成人】

 【今後の見通し】先日の雨で増水したので水況を確認してから釣行を。これからは下流域の金屋、吉備地区が面白く、数釣りが期待できる。例年10月下旬頃まで友釣りが楽しめる。

 【問い合わせ】有田川漁協【電話】0737・52・4863。年券1万800円、日券3240円。

 【交通】阪和自動車道の有田ICを有田・金屋方面へ出て信号を左折。県道22号、国道424号、同480号を経由し清水方面へ。尾岩坂トンネルを抜けて少し走ると白石の瀬周辺。