さあ、台風21号も去って、いよいよ秋の釣りも深まってきた。東京湾では「数釣りできる」「大物もいるかも」と前評判の高かったマダイ釣りが本格化しようとしている。八景「太田屋」(太田一也船長)では、年間を通して初心者を対象としたマダイ釣り教室を実施している。15日には参加した6人全員が釣果を記録した。

 釣りの魚で「マダイ」。太田船長は「印象としては“難しいんじゃないの?”という反応が大多数。そこをくつがえしたい。初心者だって、この教室にくれば釣れると知ってもらいたい」と話す。講師の常連・新井利行さん(54=横浜市)は「魚の泳層のタナさえちゃんと守ってくれれば、マダイは正直な魚だから釣れます。仕掛けが船の上にあれば釣れない。海の中にあれば釣れる。難しくない。単純ですよ」と心強い。

 今回は、生徒6人のうち、マダイ釣りが「初めて」が4人、「2回目(マダイ釣れず)」1人、「6回目(釣果あり)」1人。5人はまだ自分で釣ったマダイと対面していなかった。

 結果からいうと、アジ釣りの経験がある前田義之さん(56=練馬区)と今泉郁子さん(46=江戸川区)はともに3匹ずつ。太田船長は「アジ釣りは手さばきと、手返し、タナのキープなどマダイの基礎になる釣りだから、アジが釣れる人はマダイ釣りのセンスもいいですね」と解説した。

 過去にマダイの釣果のある井川和雄さん(44=横浜市)は「ちゃんと教わると、ちゃんと釣れる。タナをどうとるか、コマセをどうふるか。なぜマダイが釣れるかが分かった」とニコニコ。

 岡安芳浩さん(48=久喜市)寿子さん(48)夫婦は、寿子さんが途中で船酔いしながらも、復活した第1投でマダイを釣り上げ、イナダ、40センチ超のアジと立て続けに3種を釣り上げて「釣りはダンナの趣味。私はオマケなんだけど、楽しいです」と気持ち悪さを吹き飛ばして、すっかり釣りにのめり込んでしまった。

 日刊スポーツからは、釣り速報の編集作業をしている大木直哉(47)が初めて釣りをした。「新井さんからあれこれ指示されて、気付いたら800グラムがハリに掛かっていた。もう、マジックです。今度はちゃんと意識して釣りたい」と1匹釣ったが、ちょっとだけ悔しさを残した。

 次回は11月11日に実施する。マダイ、この秋は大チャンスですよ。【寺沢卓】

 ▼船 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。次回のマダイ釣り教室は11月11日(土)。講習会をするため午前6時20分集合。出船は同7時15分。料金はエサ、氷、レンタル道具がついて男性1万500円、女性と子どもは7000円。マダイ以外では午前&午後便のアジ、ルアーは午前がタチウオで、午後はスミイカ。屋形船やバーベーキューなども楽しめます。