<フィッシング・ルポ>

 微差V!

 横浜・金沢八景沖にある野島防波堤で17日、クロダイ対象の「野島杯争奪釣り大会」が行われた。101人が参加し、ヘチ釣り限定で総匹数を競った結果、全体で過去最多となる13匹がヒット。そんな中、2匹を収めた藤村信行さん(29=千葉市)が、同数の2位と体長合計1センチという、わずかな差で優勝を勝ち取った。以下は、同大会運営委員長を務めた野島防波堤海津クラブ・田中正司会長(65)が報告する。

 この日は、北東風下小雨模様で猛暑も中休みの陽気だった。大潮回りで、満潮午前4時39分、干潮同11時26分(東京・芝浦調べ)。当日は、午前7時30分に渡船し、ストップフィッシングが午後2時30分。野島防波堤では<下げ潮を狙え>のセオリーがあり、途中まではその下げ潮でやれ、有利な北系の風も加わって、ベストコンディションでの大会となった。

 午前10時半すぎまでには「ドック堤」「新堤」「馬ノ背」で計10匹のクロダイが躍った。同11時半以降は上げ潮に変わったが、「青灯堤」なども含め、さらに3匹を追釣。最終的に13匹が取り込まれた。これは、ここ3年間の同大会で最多の釣果。サイズも大型が看板の評判に違わず、1匹だけ36センチだったのを除けば、いずれも40センチ以上の型ものぞろいだった。

 優勝を果たした藤村さんは、「馬ノ背」でサオを出した。「この風向きと潮の下げ加減では馬ノ背しかない」の読み通り、46センチ(1・68キロ)42・5センチ(1・36キロ)2匹をキャッチ。その馬ノ背では、長谷川直也さん(38=埼玉県鷲宮町)も2匹を釣っていたが、審査規定の「同匹数は体長合計」により、44・5センチ(1・53キロ)43センチ(1・43キロ)は合計で1センチおよばず準優勝に。3位には、「ドック堤」で52センチ(2・17キロ)を仕留めた加藤秀夫さん(30=神奈川県横須賀市)が食い込み、「ハナレ」で50センチ(2・48キロ)を収めた水城誠次郎さん(44=神奈川県藤沢市)が、こちらも審査規定「体長×重量」により大物賞を獲得した。

 【田中会長の今後の見通し】

 野島防波堤のクロダイ釣りは今年、釣況はすこぶるいい。このペースなら、年間トータルで過去最高の釣果となる可能性も大。特に看板の50センチ前後(2キロ超)のヒット率が高く、これは今大会で釣れた13匹中5匹が2キロクラスだったことでも実証しており、大物狙いにはチャンスだ。

 ポイントは、エサだ。相変わらずフグのエサ取りが激しいためイ貝のツブか、稚貝のダンゴを使うのがコツ。ただ、その日によってイ貝の大きさで魚の食いが違ってくるので、ツブ貝は小指の先ぐらいのものから5ミリ~1センチを2個付けるなど、いろいろ試しみよう。

 ▽渡船

 日刊スポーツ新聞社指定「村本海事」(電話)045・781・8736。渡船は平日午前7時30分、正午便があり。土・日曜日&祝日は午前7時30分、同8時30分、正午便のほか夜釣りの午後4時便があり。各3500円。毎週木曜日定休。HP<http://www1.seaple.icc.ne.jp/muramotokaiji/>

 ▽交通

 電車は京浜急行・金沢八景駅からシーサイドラインに乗り換えて野島公園下車。