<大魔神のエキサイトフィッシング>

 大魔神、不思議パワー発揮!

 日刊スポーツ評論家の佐々木主浩さん(41)が、忙しいキャンプ地巡りの合間を縫って、ホームグラウンドにしている静岡・伊東港の「妙法(みょうほう)丸」から出漁した。09年度の初釣りに選んだ相手は、合わせのタイミングが難しい難敵のヒラメ。案の定、何度かアタリはキャッチしたものの、型はみられず…。代わって連発したのが、高級魚ホウボウで、今年も不思議パワーの健在ぶりを見せつけた。

 佐々木さんは昨年末、同じ「妙法丸」からアタックしてマダイやブリを連発の<タイ漁>後、09年度の最初の相手にヒラメを選択していた。いわく「ヒラメは経験が少ないけど、合わせ方が難しいから仕留めたいターゲット」という。

 「妙法丸」の釣果では、今シーズンはサイズがいいのが特徴。平均して1~2キロクラスが多く時折、4キロを超す大判級の舞い踊りもある。こう聞いた佐々木さん、例によって自らラッキーポジションとする右舷のミヨシ(船首)に陣取り、「よーし、ヒラメ釣るゾ」と早速、ほえた。同じ右舷のトモ(船尾)には、釣りアドバイザーとして同乗する日刊釣りペン・クラブの加藤雄二さん(53)がサオを出す。

 海はナギの好コンディション。潮温は15度台で、条件は悪くない。生きイワシをセットした仕掛けを下ろし、オモリを底から50センチ上に浮かせてアタリを待つ。水深は40~50メートルライン。すぐに佐々木さんのサオ先にクンクン、の反応が。「テンションのある引き込みで合わせる」べくサオを手にして、リールから少しずつ糸を送り出す。しかし、なかなか引き込まない。焦れた佐々木さん、リールを巻き戻し仕掛けをチェック。何とイワシにヒラメの歯形が。「ン~、合わせが早すぎたか…」と悔しがる。

 ヒラメは、エサをくわえてもすぐにのみ込まず、抵抗感があると吐き出してしまう。いわゆる<居食い>の習性を持ち、だから厄介でかつ、これがヒラメ釣りならではの面白さ。だが、佐々木さん、ヒラメらしきアタリを頻繁にキャッチしながらバラシばかり。「なぜだ!?」と、またまたほえた。

 そんな中、加藤さんのサオが絞り込まれた。40センチ余りのオニカサゴだったが、刺し身や鍋ネタに最高の魚だ。「ボクも釣りたい」ともらす佐々木さんのサオ先に再びクンクン…。引き込みを待ちつつ、ここでヒラメいた。「少し<聞き上げて>みよう」とサオをゆっくり上げるとギュンギュンッ!

 ヒラメか?

 「ワクワクします」と佐々木さん…。ところが、海面下に姿を見せたのは、翼のような胸ビレを広げたホウボウで、しかも、50センチ近い大物だ。

 以降も<ヒラメき釣法>でホウボウを連発。外道ながら、食べておいしい高級魚のヒットパレード。「妙法丸」の太田潔船長(65)も「しっかりハリ掛かりさせている」と驚く。

 結局、本命のヒラメはアタリだけ。型はみられなかったが、ヒラメ釣りに付き物の外道マトウダイまで釣り上げ、「今日は<外道大賞>だ」だって。「これで<ヒラメをゲット>という今年の目標ができた」と、最後はやっぱりほえてました。【長瀬川忠信】

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「妙法丸」(電話)0557・37・4913。乗合は予約制。午前便ヒラメは船着き場に同5時30分集合、エサ&氷付き1万2000円。午後便マダイは正午集合、エサ&コマセと氷付き1万2000円。ほか詳細要確認。HP<http://www4.i-younet.ne.jp/~myoho-m/>

 ▼交通

 電車はJR伊東駅からタクシー利用。マイカーの場合は、国道135号で伊東港を目指し(東京側から)川奈寄りの信号の手前を左折して「妙法丸」船着き場へ。詳細要確認。