<フィッシング・ルポ>

 群馬・榛名湖の秋バスが面白い。猛暑だった今年は、水温がなかなか下がらなかったことから、例年の同時期よりも浅い水深5~7メートルでブラックバスの心地よいヒットが楽しめる。ただし、攻略法を間違ってしまうと反応のない時間を過ごすことになってしまう。初めて訪れた日刊釣りペン・クラブの庄司道弘さん(42)が、湖上探検を敢行した!

 答えは意外なところにあった。現在、榛名湖では午前6時から出舟できる。私は店主さんに湖の近況をうかがってから30分遅れでボートを出した。しかし、満足のいくバスをキャッチできたのは、終了時間の2分前の午後3時58分だった。リグ(仕掛け)はダウンショット・リグのワッキー掛け。英語で「wacky」。和訳すると「奇妙なヤツ」。通常ダウンショット・リグは、ワームの端っこを掛けてセッティングするが、ワーム中央にフックを掛けて両端がブルンブルンと揺れることでバスを誘う。このはっきりしたアピールが良かったんでしょうね。

 釣れたポイントは水深5~7メートル付近に青々と茂るウィード(水草類)周辺で、際を狙って丹念にシェークして誘うと反応が良い。ワッキーは榛名湖では定番の1つといえそうだ。

 この日は水温17度。10月に入ったこの時期では、例年より3~4度高いという。水質は非常にクリア。その透明度の高さもあって、水深5~7メートルで日光が届くのか、ウィードは新鮮で緑の濃さが印象に残った。加えて、この湖はわき水が多いため、夏に涼しく、冬は暖かい。ウィードだけではなく、水温面でもバスの住環境は整っているようだ。

 初体験の榛名湖探検はとても気分が良かった。湖の標高は1084メートル。空気はおいしく景色もすばらしい。富士山のようなシルエットの榛名富士の美しさ。そして、少しずつ赤や黄色に色づく森は11月には本格的な紅葉となる。

 エレキも含めた動力は使えず、手こぎか足こぎのボートだけなのも情緒があっていい。さらに時おり湖を1周する遊覧船ハクチョウ丸が昭和の名曲「湖畔の宿」を歌いながら湖面を泳ぎリゾート気分を盛り上げてくれる。自然を満喫したいバスマンには憩いのポイントになりそうだ。

 ▼宿

 日刊スポーツ新聞社指定「カフェテラス・エヴァ」

 電話027・374・9525。出舟は午前6時、帰着午後4時。料金は手こぎ3000円から。日釣り入漁券は大人700円。来年の日刊スポーツ・フィッシング・サーキットのブラックバス部門の予選参加を現在前向きに検討中。HP検索は「えばらボート」でも可。レストランの「はるなコケッコーチキンカレー」(900円)はボリューム満点。